更新2024.03.05
ポルシェ997 911カレラ4Sにて、CRTブレーキパッド「P(プレミアム)シリーズ」を試してみた
外車王SOKEN PROMOTION
ブレーキはクルマにはなくてはならない装備です。どんなに速く走るパフォーマンスがあっても、しっかりと制動できるブレーキがないクルマは真のハイパフォーマンスカーとは言えないでしょう。
その点、ヨーロッパのクルマに乗って感心させられることは、ブレーキの効きがいいことです。まるで意図した停止位置に吸い込まれるようにブレーキを効かせることができるクルマも少なくありません。しかしながらその制動性能と引き換えに、盛大にブレーキダストを発生させ、少しドライブすると、特にフロントタイヤの周辺など、真っ黒になってしまうのが常であります。
しかし、それは「消しゴムを想像してみてください。しっかり停めるというのはしっかりディスクにパッドが当たっているからこそ。ダストが出るのは制動を最優先させてきた証」などと専門家から聞かされてきたもので、半ばあきらめて受け止めてきた、というのが、クルマ好きの本音ではないでしょうか。 そんな中、カレント自動車株式会社で扱い始めたCRTブレーキパッドは「高い制動力と、鳴きの少ない、低ダストが自慢です!」だそうです。そんなことがあるのだろうかということで、半信半疑で試乗させていただくことにしました。
平均制動ではなく初期制動で差をつけろ
CRTブレーキパッドが装着されたポルシェ997の911カレラ4Sで、限られた時間ということもあり、房総方面にクルマを進めることにします。
クルマを引き取りに伺ったガレージカレントショウルームは横浜市の郊外にあり、それほど深刻な渋滞になることはないものの、それでも比較的ストップ&ゴーを定期的に強いられる道路が多いエリアです。 まず、開通間もない首都高神奈川北線に向かいます。
ペースの速い港北ニュータウンの中の道を進んでは止まる。こういう道でまず実感した初期制動の高さです。ブレーキが効く、というと、大概その差は平均制動で評価されることが多いのではないでしょうか。もちろんスペックでも格段に強化してあると言いますが、それ以上に感覚的な差を強く感じ取ることができるものでした。
この効果はドライブの質を担保することに作用します。平均制動だけで勝負しているブレーキパッドは、踏み始めはそれほど大差なく、踏むほどにその強さを実感することになるものが少なくありません。こういう挙動は加速と制動が繰り返されるドライブにおいて、インパルス的なショックを伴うことも少なくないのです。
しかし、初期制動からしっかりと効き、少ない踏力でしっかり制動しはじめ、そのままリニアに「効き込んでいく」ブレーキ。快適性にもいい効果があると感じました。
高い安定性、まるでクルマが軽くなったよう
そしてこれは、クルマの重量感にも感覚的な効果をもたらすと感じました。具体的には何かコンパクトなクルマに乗っているかのような感覚があるのです。
カレラ4S、911の4輪駆動です。最近では決して軽量なクルマではないですが、その4輪駆動車。RRながら秀逸な操安性を見せるベースの911に比べて「ダメ押しの」と特に断りたいほどの高い安定性を見せることに伴い、重量感も付加されているように感じさせはしないでしょうか。 しかしながら、その重量感の内の「重々しい感じ」はかなり低減されます。
「軽やかに重厚な」クルマは運転する者の心を打つものです。こうなるとカレラ4Sも手放しでいいものだと感じさせます。まるでクルマが軽くなったような印象。エンジンのチューンナップでそういうことは、わかりやすく有り得ると思いますが、重力を、そしてGを感じる「制動」の質にこだわることで、こういう効果があるという実感は初めての体験でした。
「足元が常に美しいオトコ前」それでもって黒くならないホイール
金属を用いずNAO材を使用するCRTブレーキパッドはメタルが含まれないタイプ、港北ニュータウンのシグナルストップ。渋滞気味の首都高横羽線。さらに矢のごとく房総へ、瞬く間にアクアラインを渡り切り、木更津市を抜け、ワインディングを抜けて久留里へ。
短い時間の911カレラ4Sとのドライブは、試乗とはいえ、楽しい時間でした。存分に楽しいドライブで80kmほどの距離を一気に走った後でも、足元の美しさは出発したときのまま。 よく男性は足元を見られるものとか言うから、その話題が出るたびに、ずぼらな筆者などは伏し目勝ちにうつむいてしまうのだけれども、CRTのブレーキパッドをつけていれば、ホイールの汚れは早々心配しなくてもよさそうです。
しかも繰り返しになりますが、かなりの強行軍。決してマイルドな運転だったわけではありません。ダストは少ないですが、制動に不満があるということは全くないのです。クルマ自体が身軽に感じられるブレーキは思い立って出かけたドライブでも疲れ知らず。
交換直後から、鳴きが少ないのもうれしいところです。 こんなパッドが純正品よりも若干安い価格で用意されるというのだからうれしい限りではありませんか。そしてさらにこれには話の続きがあり、今回試乗車についていたパッドはP(プレミアム)シリーズという最高級グレードだそうで、実はこれよりも安価にE(エコノミー)シリーズも用意されると言います。
低ダストなどの性能より「ブレーキの効き」に性能を絞り、価格をさらに安価にしたというからうれしいではありませんか! 長年、輸入車販売を手掛けてきたカレント自動車だから、多くのクルマを見てきています。
そこにはクルマの台数と同じだけユーザーも見てきた経験が、「もっと輸入車を乗りやすくしたい」という思いに至り、こうした魅力的なクオリティを持つ、バリューフォーマネーな消耗品の開発に至ったのだと言います。
場合によっては国産のベーシックカー並みの価格で乗ることができる輸入中古車。そんな選択肢を選ぶ決断を邪魔する要因の代表格が、維持費の高さです。特に消耗品をはじめとしたパーツの高さ。これに対してのカレント自動車としての回答の一つが、このCRTブレーキパッドではないでしょうか。 躊躇なく踏む。ドイツ車の楽しみの一つはブレーキだと思うから、そのブレーキパッドが高性能でリーズナブルだということは、クルマ選びの上でブレーキをかける要素が一つ除外されたと言ってもいいかもしれません。 そのEシリーズや、ほかのクルマとの相性も大変興味があるところだし、もっと言えば筆者の愛車マセラティ430用もできないか、という我慾は当然頭をよぎったものです。いずれにしても今後の製品展開が楽しみなブレーキパッド。ポルシェユーザーの皆さま、一度試されてはいかがでしょうか。
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[ライター・カメラ/中込健太郎 画像提供/カレントパーツサプライ]