ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
ヨーロッパではよく見られる石畳で舗装された道路@ドイツ現地レポ
中込 健太郎
日本には国道308号線に一カ所石敷舗装の国道が現存するそうですがほとんど見ませんね。むしろ商業施設のアプローチなどで時々見ることがある石畳。ですが建築のみならず、ヨーロッパではよく見られるのが石畳で舗装された道路ですね。ドイツからそんな石畳の道路のレポートが届きました。
<ドイツ郊外>
歴史的にはかなり古く、紀元前にローマ帝国が侵攻していくと、そこからローマへ向かう道が整備され、そのときローマ街道(アッピア街道など)ができましたが、そこでの舗装に石が使われました。そこから派生した道が今でもヨーロッパ各地に残っているようです。「すべての道はローマへ続く」というアレですね。日本でも「いざ鎌倉」なんていう忠義の現れを示す言葉があり、いろんなところに「鎌倉街道」がありますが、規模はものすごく違うにしても、やはり武士が力を持ち、覇権争いの盛んな世の中はこうした街道を発達させるのかもしれませんね。
こうした街道は戦乱の中で発達したということで、多くの犠牲と血のながれる歴史の暗く悲惨なエピソードはつきものですが、長い歴史の中で、多いに文化を成長させることへの貢献も少なからず果たしたことは無視することはできないでしょう。地方をローマ帝国が制圧すると、ローマ人たちがさまざまな文化を持ち込んできて、それがその後にフランス、ドイツ等々のヨーロッパ各国の文化として継承されていったのです。道路を石畳にすることも、ローマ的な文化のひとつでした。
<パリのシャンゼリゼ通り>
またローマ帝国の首都のローマも街は石畳にあふれており、それが波及して、ヨーロッパの様々な都市において現在でも多くの都市では石畳が使用されており、ヨーロッパの都市景観の一部としてすでに世界中の人々の印象の一部なっていると言っても差し支えないでしょう。このようにヨーロッパの主な道路のほとんどが石畳であったものの、20世紀になると、自動車の普及で、歩道などは石畳が残ったものの、車道の多くはアスファルトに置き換わっていきました。しかし、歴史ある街の中には、細い路地などに石畳を残してある場所が多くあったりもするのは日本とは違う国民性なのかもしれません。
<パリ市街>
また、田舎にも石畳は多いので訪れる人の目を楽しませてくれます。こういった背景には、歴史を大切にするという事情のほか、この石畳の作りが、現代の感覚からするとかなり豪壮なもので、交通量の関係で幅を整備し直すような事情がない場合は新たにお金をかけて舗装する必要がないほど丈夫だという側面もあるようです。もともとは人の行き来しか考えられていないので、今の感覚だとクルマのすれ違いは難しいかもしれません。しかし、その幅と同じ暗いの深さまで堀、砂土石などを丁寧に一層ずつ敷き固めて最後に大きな石をしいてあるともいわれ、今時のアスファルトにも負けないタフネスがあるとも言われています。こういう道が多いので、ヨーロッパのクルマのアシは柔らかい、というかこういう細かい凹凸をしなやかにいなすようなサスペンションができるのかもしれませんね。歩いて、クルマで、いろんな方法でヨーロッパの石畳を堪能してみたいものですね。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
<ドイツ郊外>
歴史的にはかなり古く、紀元前にローマ帝国が侵攻していくと、そこからローマへ向かう道が整備され、そのときローマ街道(アッピア街道など)ができましたが、そこでの舗装に石が使われました。そこから派生した道が今でもヨーロッパ各地に残っているようです。「すべての道はローマへ続く」というアレですね。日本でも「いざ鎌倉」なんていう忠義の現れを示す言葉があり、いろんなところに「鎌倉街道」がありますが、規模はものすごく違うにしても、やはり武士が力を持ち、覇権争いの盛んな世の中はこうした街道を発達させるのかもしれませんね。
こうした街道は戦乱の中で発達したということで、多くの犠牲と血のながれる歴史の暗く悲惨なエピソードはつきものですが、長い歴史の中で、多いに文化を成長させることへの貢献も少なからず果たしたことは無視することはできないでしょう。地方をローマ帝国が制圧すると、ローマ人たちがさまざまな文化を持ち込んできて、それがその後にフランス、ドイツ等々のヨーロッパ各国の文化として継承されていったのです。道路を石畳にすることも、ローマ的な文化のひとつでした。
<パリのシャンゼリゼ通り>
またローマ帝国の首都のローマも街は石畳にあふれており、それが波及して、ヨーロッパの様々な都市において現在でも多くの都市では石畳が使用されており、ヨーロッパの都市景観の一部としてすでに世界中の人々の印象の一部なっていると言っても差し支えないでしょう。このようにヨーロッパの主な道路のほとんどが石畳であったものの、20世紀になると、自動車の普及で、歩道などは石畳が残ったものの、車道の多くはアスファルトに置き換わっていきました。しかし、歴史ある街の中には、細い路地などに石畳を残してある場所が多くあったりもするのは日本とは違う国民性なのかもしれません。
<パリ市街>
また、田舎にも石畳は多いので訪れる人の目を楽しませてくれます。こういった背景には、歴史を大切にするという事情のほか、この石畳の作りが、現代の感覚からするとかなり豪壮なもので、交通量の関係で幅を整備し直すような事情がない場合は新たにお金をかけて舗装する必要がないほど丈夫だという側面もあるようです。もともとは人の行き来しか考えられていないので、今の感覚だとクルマのすれ違いは難しいかもしれません。しかし、その幅と同じ暗いの深さまで堀、砂土石などを丁寧に一層ずつ敷き固めて最後に大きな石をしいてあるともいわれ、今時のアスファルトにも負けないタフネスがあるとも言われています。こういう道が多いので、ヨーロッパのクルマのアシは柔らかい、というかこういう細かい凹凸をしなやかにいなすようなサスペンションができるのかもしれませんね。歩いて、クルマで、いろんな方法でヨーロッパの石畳を堪能してみたいものですね。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]