イベント
更新2017.07.13
ラリー気分で風光明媚なドライブロードを駆け抜けるツーリング「牛窓Bravo!」イベントレポート
野鶴 美和
主催はクラシックカーオーナーのコミュニティ「倉敷旧車倶楽部」。年に数回このようなツーリングやBBQなどを企画しているそうです。イベント参加への申し込みは、メンバーを通せば誰でもOK。愛車の年式も問わないとのこと。
▲クラシックカーの参加をメインとしながらも、年式・ジャンルはさまざま
ツーリングはラリー気分を演出
▲「コマ地図」はラリー競技で用いられる、分岐点や目印を簡略化した地図
ラリー気分で楽しんでもらおうと、目的地までの案内はコマ地図で演出。この日の流れは「吉備路もてなしの館」に集合したメンバーが「道の駅みやま公園」に集まったメンバーと合流。カフェで休憩をとりながら「岡山ブルーライン」を経由し、最終目的地の「牛窓ヨットハーバー」をめざします。
スタート地点の「吉備路もてなしの館」には17台が集合
▲「吉備路もてなしの館」の駐車場に集合したみなさん。背景に見えるのは「備中国分寺」。吉備路のシンボルです
筆者も「吉備路もてなしの館」からスタートするみなさんとご一緒することに。目の前を走る県道270号から他メンバーとの合流場所になっている「道の駅みやま公園」までの約30kmを走ります。
筆者は愛車ホンダ S2000(AP1)で参加。2009年に生産終了したばかりですので決して「クラシック」ではないですが、あたたかく迎えてくださいました。走り出す前のワクワク感がたまりません。
▲絶好のオープンドライブ日和、テンションも上がります
古代ロマン感じる「吉備路」を駆け抜ける名車たち
▲かつて古代吉備国の中心だったことから通称「吉備路」と呼ばれるエリアを走る県道270号。周辺には古墳や文化財が点在
▲ホワイト、イエローと鮮やかに駆け抜けるのはフォルクスワーゲン ビートル
▲赤いボディと美しいフォルムが深緑に映える、シボレー コルベット スティングレー
▲突き抜けるようなサウンドを奏でる、ランボルギーニ ガヤルド
▲パステルイエローがおしゃれ!スバル サンバーバン
▲「ベレG」でおなじみ、いすゞ ベレット1800GT
▲県道270号を駆け抜けていきます
玉野から牛窓へ。ロケーション抜群の爽快ドライブ
▲広大な駐車場の一角が集合場所。簡単なミーティングのあと出発です
「道の駅みやま公園」の広大な駐車場の一角が合流場所。ここから全員であらためてスタートです。道中はカフェで“おやつタイム”をとりながら牛窓へと向かいます。筆者は撮影があるため「岡山ブルーライン」へ、ひと足お先に。
▲道中左側に広がるのは「児島湾淡水湖」。日本一の大きさを誇る、人造淡水湖です
▲児島湾大橋を渡っていきます。景色は歩道からの眺め。どこかノスタルジックな雰囲気を感じる風景です
▲エレガントなモーガン。深緑の山道と絵になります
牛窓へのアプローチ「岡山ブルーライン」は、走りのハイライト!
▲「岡山ブルーライン」は、かつて有料だった観光道路。ロケーション・走りやすさ、どこをとっても一級のドライブロードです
▲ハンドサインで応えてくださるアルファロメオ ジュリアスプリントGTのオーナー
▲思わず笑顔になるキュートさ、ホンダ バモス。じつは走行の前半と後半で、ライトのカバーが違うのです。センス抜群ですね!
▲パッシングとハンドサインで応えてくださる、いすゞ ジェミニのオーナー
▲爽やかなご夫妻がオーナーのバーキン セヴン
▲ニッサン サニー B110。音もイイ!硬派でレーシーです
▲ダットサン SR311は、いまも国内外で人気車種の1台。非常に美しい個体でした
▲ブルーラインの「邑久・牛窓インター」を下車すると海の気配。目的地の牛窓まであと少し
オーシャンビューを眺めながらのランチ
▲牛窓ヨットハーバーのビジターバースの一角を駐車場として借りています
牛窓ヨットハーバーに到着したところで、クラブハウスの会議室へ移動。楽しいランチタイムのはじまりです。
▲牛窓ヨットハーバーのクラブハウスにはカフェも併設
車談義に花が咲き、気がつけば解散の時刻となっていました。ツーリングの余韻に浸りつつ帰途につきます。
「倉敷旧車倶楽部」では、今回のような倶楽部イベントのほかに、地域活性をテーマとしたイベントも積極的に開催しています。今後カレントライフでもお届けしていきたいと考えていますので、どうぞご期待ください。
参加オーナーのみなさんに、プチインタビュー
今回のツーリングのなかで、参加のみなさんから愛車とのストーリーをお聞きする機会もありました。最後にオーナーインタビューとしてお届けいたします。
■トヨペット クラウン デラックス(1961年製)
▲「倉敷旧車倶楽部」の相談役を務める岡﨑さん
「80歳になっても鈴鹿サーキットへ挑戦し続けたい」
オーナーの岡﨑允さんは、クラシックカーの収集やサーキットランを楽しむ、非常にアクティブな70代のオーナーです。サーキットランはホンダ S600とS660のどちらかで走っているそうですよ。
岡﨑さんの大切なコレクションのひとつであるトヨペット クラウンは、観音開き式ドアでおなじみ。さらにオーバードライブ機能「トヨグライド」付のATトランスミッションを搭載しています。
「クラウンは大学時代を懐かしく思い出すクルマです。苦しかったことも含めて当時の気持ちがよみがえってきますね」
■ミツオカ ラ・セード(1991年製)
オーナーは遠藤義博さん。このラ・セードはアメリカのクラシックカー「ティファニークラシック」のレプリカ。ニッサン シルビア(S13)がベースとなっていて、エンジンもシルビアのものが搭載されています。
「外国製に見えて日本車ベースなので故障が少ないです。人とは違うクルマという点も満足しています。エレガントにゆっくり走るところが気に入っていますね」
こだわりはエンブレムのカスタム。市販されているアイテムや優勝トロフィーに付属品として付いていたイーグルの彫刻を移植するなど“着せ替え感覚”で楽しんでいるとのこと。
ラ・セードはおもにイベントで乗る機会が多く、倉敷旧車倶楽部やミツオカ ビュートオーナーズクラブのミーティングなどに参加しているそうです。
▲優勝トロフィーの付属品だったイーグルの彫刻をエンブレムに
▲なんとクルマが縁でご結婚も!オーナーズサイトへの登録がきっかけで、京都出身の奥さまと出逢ったそうです [写真提供:遠藤義博さん]
■トヨタ パブリカ スーパー(1967年製)
オーナーの梅本一朗さんは、このパブリカを新車から親子3世代にわたって乗り続けています。息子さんは自動車整備士で、お孫さんもクルマが大好き。まさにクルマ好きの鏡といえるご一家ですね。パブリカは、「4代目(お孫さん)」に受け継がれる予定なのだとか。
こちらのモデルはトヨタスポーツ800(ヨタハチが後発)と同じ2気筒45馬力のツインキャブエンジンを搭載。
県内のトヨタディーラーで現存たった1冊の修理書をコピーし、ご自身でほとんどのメンテナンスをこなす梅本さん。
「大切な父の形見なので、オリジナルの状態を維持したいです」
と話します。オイルはGulfのものを、3000kmに1度交換。オイルフィルターはできるだけストックをして、こまめな交換を心がけています。さらに今年は、ボディのレストアを予定しているそうです。
■ダイハツ コンパーノGT(1968年製)
別府彰さんがオーナーのダイハツ コンパーノGTは、国内でたった1台の個体かもしれません。コンパーノ“スパイダー”は市場に出回っていますが、別府さんいわく
「他のコンパーノGTをまったく見かけないし、クラシックカーマガジンでも見たことがない。『幻のクルマ』だと思っています」
とのこと。大きなトラブルはなく調子は良好。部品はほぼゼロ。部品取り車で対応しているそうで、ワンオフ製作が少なくないとか。消耗品は他車種からの加工・流用も多いとのこと。
▲「倉敷旧車倶楽部」の代表を務める別府さん
人に愛されているクルマが好きなのです
筆者はツーリングが好きです。前後に仲間の気配を感じながら走る楽しさはもちろん、「クルマ好き同士で、目的を共有できる幸せ」が味わえるツーリングが好きです。
そして、「クルマ好きな人が好き」なのだと思います。ですから、車種やジャンルがバラバラでもかまいません。
このようなイベントレポートを通して「人に愛されているクルマたち」の姿を、これからもお届けしていきたいと考えています。
[ライター・カメラ/野鶴美和]