更新2025.03.06
相続したクルマの売却方法とは|必要書類・手順までわかりやすく解説
外車王SOKEN編集部
大切な家族が亡くなった後、残されたクルマをどうするか悩まれている方も多いのではないでしょうか。クルマも土地や建物と同様に財産として扱われるため、相続手続きなしに売却や廃車はできません。
この記事では、クルマの相続に必要な書類から手続きの流れ、クルマの売却方法まで丁寧に解説します。軽自動車を相続する場合や、ローン残債が残っている場合などさまざまなケースへの対応方法も紹介していますので、相続手続きの参考にしてみてください。
亡くなった方のクルマは相続しないと売却不可
亡くなった方のクルマは相続しないと売却不可所有者が亡くなったクルマを売却するには、まず相続手続きが必要です。クルマの相続とはどのようなものなのか、ここで詳しく解説します。
クルマは「財産」として相続対象になる
クルマは法律上「動産」として扱われ、建物や土地などの不動産と同様に相続の対象に含まれます。所有者が亡くなると、法定相続人全員の共有財産となるため、誰が相続するかを決めて名義変更手続きを行う必要があります。
相続に伴う名義変更をせずに売却や廃車手続きを行おうとしても、受け付けてもらえません。また、名義変更をしないで継続して使用した場合、万が一事故を起こしたときに保険の補償を受けられない可能性があります。
なお、所有者の名前は車検証の「所有者の氏名又は名称」欄で確認できます。故人の名前が記載されていれば、そのクルマの相続手続きが必要です。ただし、ローン返済中のクルマであれば、ディーラーやローン会社が所有者である場合があるため、まずは車検証を確認しましょう。
クルマの相続手続きの流れ
クルマの相続手続きは、道路運送車両法で所有者の死亡から15日以内に行うことが定められています。期限を過ぎた場合でも手続き自体はできますが、50万円以下の罰金が科される可能性があるため、できるだけ早めに進めましょう。
クルマの相続手続きの基本的な流れは以下のとおりです。
1.車検証にて所有者の確認
車検証を確認し、所有者が本当に故人かどうかを確認します。
2.相続人の決定
法定相続人の中でクルマを引き継ぐ人を決めます。
3.必要書類の準備
戸籍謄本、印鑑証明書など、後述の必要書類を揃えます。
4.遺産分割協議書の作成
相続人が複数いる場合は、誰がクルマを相続するか合意した書類を作成します。
5.陸運支局での手続き
必要書類を持参し、名義変更手続きを行います。
名義変更手続きが完了すれば、そのクルマを自由に使用したり売却したりできるようになります。
クルマの相続に必要な書類
クルマの相続には、いくつかの書類が必要です。相続のパターンやクルマの価値によって必要な書類が異なるため、自分のケースに合わせて準備しましょう。
単独相続と共同相続で変わる必要書類
相続のパターンは大きく分けて「単独相続」と「共同相続」の2つがあります。単独相続は相続人が1人の場合、または相続人の話し合いで特定の1人がクルマを相続する場合です。共同相続は複数の相続人が共同で所有権を持つ場合です。
【単独相続の場合の必要書類】
・車検証
・故人の戸籍謄本または除籍謄本(死亡が記載されているもの)
・クルマの相続人の戸籍謄本(故人との関係を証明するもの)
・クルマの相続人の印鑑証明書(発行から3カ月以内のもの)
・クルマの相続人の実印
・遺産分割協議書(相続人が複数いる場合/相続人全員の実印の押印が必要)
・車庫証明(駐車場所が変わる場合)
【共同相続の場合の必要書類】
・車検証
・故人の戸籍謄本または除籍謄本(死亡が記載されているもの)
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書(発行から3カ月以内のもの)
・相続人全員の実印
・遺産分割協議書
・車庫証明(駐車場所が変わる場合)
共同相続の場合は、全ての相続人の書類が必要になるため、準備に時間がかかる場合があります。
クルマの価値が100万円以下の場合と以上の場合の手続きの違い
クルマの価値によっても必要書類が変わります。クルマの価値が100万を超える場合と、100万円以下の場合、それぞれのケースについて解説します。
【クルマの価値が100万円を超える場合】
普通自動車の価値が100万円を超える場合は、相続人全員の実印の押印がある「遺産分割協議書」が必要です。相続人全員の同意を得て、誰がクルマを相続するかを明確にしなければなりません。
【クルマの価値が100万円以下の場合】
普通自動車の価値が100万円以下であれば、遺産分割協議書の代わりに「遺産分割協議成立申立書」を提出します。遺産分割協議書とは異なり、クルマを相続する1名の実印のみで手続き可能です。ただし、クルマの価値が100万円以下であることを証明するために、一般財団法人日本自動車査定協会にて査定を受け、100万円以下である証明書を発行してもらう必要があります。
クルマの売却に必要な書類と売却の流れ

相続手続きが完了したクルマを売却する場合は、いくつかの書類を準備する必要があります。ここでは、売却に必要な書類と一般的な売却の流れについて解説します。
クルマの売却時に必要な書類
クルマを売却する際には、以下の書類が必要です。事前に漏れなく揃えておくと、スムーズに手続きを進められます。
1.車検証
2.自動車税納税証明書
3.自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)
4.印鑑証明書(軽自動車の場合は不要)
5.実印(軽自動車の場合は認印可)
6.リサイクル券
これらの書類が揃っていないと売却手続きができないため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
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クルマ売却時の必要書類完全ガイド|個人・法人の必要書類から準備方法まで徹底解説
クルマの売却の流れ
クルマの売却は一般的に以下の流れで進めます。
1.必要書類を揃える
2.査定を申し込む
3.業者の査定を受ける
4.査定額に納得したら売買契約を取り交わす
5.クルマを引き渡す
6.代金の振込を確認する
申込みから入金まで、早ければ1週間程度で完了します。一括査定サイトを利用したり複数の業者の査定を受けたりする場合には、売買契約を締結するまでに時間がかかるでしょう。
また、売却前には以下のポイントを確認しておくことをおすすめします
・クルマ内の私物を取り出しておく
・自動車税の納付状況を確認する(未納があると売却できない)
クルマの相続での特殊なケース
クルマの相続にはさまざまなケースがあります。ここでは特殊なケースの対処法について説明します。
【相続放棄する場合】
クルマを含めた遺産全体を相続したくない場合は、「相続放棄」という選択肢があります。相続放棄は亡くなってから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きする必要があります。相続放棄すると、債務を含めた全ての財産を相続する権利を放棄することになります。
ただし、クルマだけの相続放棄はできません。相続放棄すると、はじめから相続人ではなかったものとして扱われます。
【ローン残債がある場合】
クルマにローンが残っている場合、相続人が残債を引き継いで支払う必要があります。また、相続後に売却するにはローンを完済しなければなりません。
車検証の所有者欄にディーラーやローン会社の名前が記載されている場合、ローンが残っている可能性が非常に高いため、まずは問い合わせをして残債がいくらあるのかを確認しましょう。
【リース車輌だった場合】
故人がリース契約でクルマを使用していた場合、所有権はリース会社にあるため。クルマは相続の対象外です。しかし、リース契約自体は解約しなければなりません。
カーリースは、使用者を変更しての契約継続が不可です。そのため、強制的に解約するしかありません。リース会社によっては違約金が発生する場合があるため、故人が載っていたクルマがリース車輌だとわかった場合にはなるべく早めにリース会社に連絡しましょう。
【軽自動車の場合】
軽自動車と普通自動車では、相続手続きに違いがあります。手続きを行う場所は運輸支局ではなく軽自動車検査協会です。必要書類にも以下の通りの違いがあります。
<軽自動車の相続に必要な書類>
・車検証
・クルマを相続する人の住民票、もしくは印鑑証明書
・戸籍謄本 ※故人と相続人の関係が証明可能なもの
・クルマを相続する人の認印
・ナンバープレート ※管轄地域が変更される場合のみ
軽自動車の相続は普通自動車に比べて用意する書類が少ないです。遺産分割協議書の作成も不要なため、手間も抑えられます。
まとめ
クルマの相続手続きは複雑で、さまざまな書類や手続きが必要です。クルマの相続手続きは専門的な知識が必要で、一般の方には難しいと感じることも多いでしょう。相続したクルマを売却する場合は、信頼性の高い業者を選ぶと不安なく手続きを進められます。売却するなら、豊富な実績があり、透明性の高い査定システムを持つ業者を選ぶことをおすすめです。
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