ライフスタイル
更新2017.06.10
クルマ好きの旦那を持つのは……幸せか否か?
松村 透
金額は伏せますが、決して少なくはない、生活するには何とかなりそうなものに思えました。この話しの結末は…推して知るべしですが、家庭とクルマ趣味を両立させることはそう簡単ではないと、改めて思い知らされたのでした。
家庭とクルマ趣味を成立させるべく、涙ぐましいまでの努力をしている方も…。
身近な一例として、カレントライフのオーナーインタビューでご紹介した方の多くが既婚者です。
大半の既婚者の方は「どうにかこうにか奥様にクルマ趣味を認めてもらっている(黙認してもらっている?)」方がほとんどだったように思います。なかには、ご夫婦でクルマ趣味を楽しんでいらっしゃる、RUF CTRオーナーの岩瀬ご夫妻のような羨ましい方もいらっしゃいましたが、どちらかというと少数派かもしれません(岩瀬ご夫妻、末永くお幸せに!)。
※幸い?「奥さんにナイショで所有しているから…」という方はいらっしゃいませんでした。そういった方は取材をお願いしてもお断りされてしまいますね、きっと(笑)。
既婚者の方々にオーナーインタビューをさせていただいて分かったことがあります。クルマの部品ひとつを買うにしても、手元に届くまで周到な準備をしている方が大半です。実際に購入した金額より少なく申告するのは、もはや常套手段。「拾った」、「友達に(タダで、あるいは格安で)譲ってもらった」、「友達に頼まれて買ったので一時預かり品」などというような、すぐに裏があるとバレそうな理由で奥様やご家族の監視の目を必死に(?)かいくぐっている方もいらっしゃいました。
さらには、奥様が外出のときを狙って宅配業者に荷物を届けてもらい、そのままヒミツの隠し場所へしまいこむ…(この行為を一部では「密輸」というらしいです)。ここまでくると、涙ぐましいとしかいいようがありません。「ああ、ウチと同じだ」と思ったお父さん、安心してください。どこのご家庭も似たようなものみたいですよ…。決してお父さんのお宅は奇妙でも、異色でもありませんから安心してください。
クルマ好きの旦那を持つのは幸せか否か?
これは筆者の周囲に限った話しかもしれませんが、既婚者で「クルマ趣味と女性を両立している方」ってあまりいらっしゃらないような気がします。クルマ趣味に生きる方はその道をひた走っていますし、後者の方は、クルマ選びから仕事や生きることすべてが「女性のためにエネルギーを注いでいる」ような気がしています。どこにベクトルが向かうかにもよりますが、世のお父さんたちにとって、モチベーションを保つために必要不可欠なエネルギー源なのかもしれません。
この記事を世の奥様方が読む機会はあまりないかもしれません。しかし、たまたまご覧いただいた方がいらっしゃったとして、(信じてもらえないかもしれませんが)クルマ趣味ってすごく健全です。お金は掛かりますが、クルマを通して出逢う「大人になってからの友達」は、幼馴染みや学生時代の友達とはまた違った良さがあります。お互いのライフスタイルや人格が形成されてから知り合った者同士ですから、ある程度は波長が合っていないと付き合えませんし、付き合う理由もありません。いわば「類トモ」です。
気の合う仲間同士で、傍目には日本語として成立していないような単語が飛び交う会話を、居酒屋や高速道路のパーキングエリアで延々と続けているのが「至福のとき」なのです。女子会のオトコ版みたいなものです。似たような話題で延々とループしていることもしばしばです。日曜日の早朝、家族の皆さんが起きる前のホンの数時間だけ愛車を走らせるだけで、午後からは家族サービスも気持ちよく(?)してくれるはず。たまには疲れ果てて、居眠りしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それこそ買い物のあいだにでも、寝かせてあげてください(笑)。
( ※当記事は過去配信した記事の再編集版です)
[ライター/江上透 画像提供/江上透・北沢剛司・中込健太郎]