ライフスタイル
更新2020.08.20
自動車ディーラーに来店する「冷やかし客」を見分ける3つのポイント
外車王SOKEN編集部
「お客様を見た目で判断しない」というのは営業マンの基本中の「き」だと、新人研修で教えられるはずですが、現実には、営業マンにとって冷やかしは迷惑でしかありません。相手にしないか、さっさと見切りを付けたいところですが、お客様という立場である以上無下には出来ず、貴重な時間を無駄にしてしまうからです。
「冷やかし客」かどうかが判断できれば、早急にアプローチすべき客か、情報収集に達するか、営業マンの対応も、優先度も違ってきます。
見分け方は簡単には次の様になります。
1.自分の情報を話したがらない
2.説明も聞かず、最初から見積だけを欲しがる
3.サービス品やグッズ目当て
1.自分の情報を話したがらない
営業マンが会話の中で、欲しい情報は決定権者、購入する時期、予算、下取り車の有無、連絡先などですが、「冷やかし客」であれば、まずまともに答えることはしません。この辺りで営業マンは「冷やかし客」ではないか?という疑念を持ちます。しかし、これは、営業マンに主導権を与えないで、交渉を自分に有利に進める購入する側にとっての交渉術でもあるので、「冷やかし客」と断定するのは危険ですし、営業マンにそう思われた時点で、良い受験も得られないので、購入する側にとっても良い方法ではなくなってしまいます。
2.説明も聞かず、最初から見積だけを欲しがる
最初から「見積もりが欲しい」といってくると、経験の少ない営業マンは「ホットなお客様」だと思いがちですが、この手の客はほぼ「冷やかし」と思って間違いないでしょう。競合車種の値引き交渉に利用するために、他社の見積りを集めることが多く、車の説明も聞かず、商談ルームに入っても、早く出たがるのです。両車を比較してより良い条件の方から買うという「ホットなお客様」なら、とことん価格を煮詰める交渉を望みますし、車の説明にも真剣に耳を傾けるはずです。
このような場合は見積もりは作成しますが、連絡先等聞けない場合には値引きは提示しないか、書面には残しません。
3.サービス品やグッズ目当て
来場者プレゼント目当てという絵に描いたような「冷やかし」も中にはいます。もれなく差し上げますと言っている以上断れませんが、必要以上に欲しがる場合には、住所や氏名、連絡先をもらうようにするとアッサリと退散します。これはフォローしようがなく、する必要もありませんが、展示会のたびに現れる注意人物というレッテルを張られてしまうでしょう。
逆説!冷やかし客は存在しない?
「売上の8割はたったの2割のお客様から生まれる。」 という言葉もあります。これは応対したお客様の8割が何らかの理由で購入に否定的で、積極的に購入しようとする「ホットなお客様」は2割に過ぎないということです。業種によってはこの2割の客に重点を絞り、セールスを展開するのが良いとされており、自動車の営業マンもそれを口実にします。しかし、実は自動車販売においては、2割も「ホット客」はいないのです。したがって残りの8割を「ホット客」に「育てる」ことが重要なのです。
優秀な営業マンほど「冷やかし」を大事にします。いや、むしろ「冷やかし」など存在しないというのが、彼らの考え方なのです。外回りに営業に出て足を棒にしても、新しい車の購入について話せるチャンスなどほんのわずかなのです。
興味があるから自動車販売店にやって来る
それに比べて、わざわざ数多い店舗の中から、その店舗に来店してくれえるお客様は、その緊急度は別にして、訪れた店舗が扱う車に興味を持っている事だけは確かなのです。もし、まずい対応をすれば、本当に車を購入する時期がきても、二度と行く気になれないでしょう。反面、まだ購入するのは随分先で、とりあえずカタログだけでもらおうと寄っただけでも、丁重な扱いを受け、まだ先の話なのに親身になって相談させてもらえたなら、買う時には必ず来ようと思うはずです。
冷やかし vs 新人営業マン
筆者が新車の販売マネージャーをしていた時に、新人営業マンに良く聞かれたことの一つが「冷やかし客をどうやって見分けるのですか?」という質問です。実際に彼らも困っていたようです。
そこで筆者が話したのが「冷やかし客はいないと信じて接客すること。」です。先入観を持たず全力で接客すれば、いずれ彼らもわかるようになりますし、その結果本当に「冷やかし」だった方が、いつの間にか真剣に話しを聞きだし、「ホットなお客様」になったことも多く見受けられました。
「冷やかし」を見分けること以上に、それをどう受け止めるかで、営業マンの真価が問われるのです。