ライフスタイル
更新2018.04.15
10代〜20代前半のディーラーや自動車販売店の塩対応・神対応を振り返ってみる
松村 透
タイトルから察するに、自動車ディーラーや街の自動車販売店の塩対応への毒履き(?)に思われるかもしれませんが、そうではありません。ご安心ください。神対応は実名を挙げますが、塩対応は伏せてあります。個人攻撃にもなりかねませんし・・・。
多くの方が10代後半〜20代前半で洗礼を受ける?
念願の運転免許を取得後、意を決して街の中古車販売店に足を運んだときのことを憶えていますか?アラフォー世代以上の方であれば、雑誌等で見つけたお目当てのクルマを、もう少し若い方はインターネットを駆使したのでしょうか。いずれにしても、初めてクルマを購入すると決めたとき、緊張しながら街の中古車販売店に向かった方も多いように思います(1台目は格安のクルマを先輩にゆずってもらって、2台目を・・・というケースもありそうです)。
筆者も、19才のときに行きました。国道沿いにある大型の中古車販売店に。女性(おばちゃん?)の店員さんの対応がまさに「塩対応」で、一応、口には出さないまでも「買えないのに来るな」というオーラが全身から発せられていました。もうまったく相手にしてくれません。いまだに憶えているということはよほど悔しかったのでしょう。その中古車販売店はいまも健在。件の女性店員はいまも在籍しているのでょうか・・・。
そして、新車ディーラーで洗礼を受けるはずが・・・
これは良い方の記憶なので、固有名詞を挙げてしまいます。運転免許を取得した当時、筆者は日産フェアレディZ(Z32)にお熱でした。周囲のクルマ好きのあいだではスカイラインGT-R(R32)の方が圧倒的に人気があり、Zはもう少しナンパなイメージだったように思います。あるとき、地元の日産ディーラーにフェアレディZが展示してあるのを発見。その当時は、現在のようにインターネットでお目当ての車種がどこで展示されているかを調べる時代ではありませんでしたから、「こんなチャンスはめったにない!」と、まさに意を決して日産ディーラーに飛び込みました。
親族のクルマ好きのおじさんを通じて、トヨタと日産ディーラーの対応が比較されることを聞かされていたので(おじさん曰く、どちらかとトヨタの方が対応が良いと思っていたらしい)、正直不安がありました。しかし、たまたま来店した筆者(まだ10代)にも、当時40代と思しきセールス氏は丁寧な対応をしてくださり、快くフェアレディZのカタログをくれました。そのカタログはいまでも保存してあります。結局、フェアレディZを買うことはできなかったけれど、親族のおじさんの持論は見事に覆されることとなったのでした。
さらに、高級車ディーラーであっけなく爆沈する
これは若気の至りといえばそれまでです。ちょっとご迷惑だったかなあと思います。当時(いまもですが)、どうしても乗ってみたい輸入車のスポーツカーがあり、1人では不安なので、親友に同行してもらい、2人である高級車ディーラーに行ってみました。当時二十歳。入口で「○○○(車名)を試乗してみたいのですが」と妖艶なショールームレディに声を掛けると、「少々お待ちください」となかへ案内されたのです。ほどなくして30才前後のセールス氏が現れ、デモカーを用意してくれました。
「どうぞ、試乗してみてください」と促され、念願の運転席へ。デモカーはMT車。しかも左ハンドル。エンストしたらどうしよう・・・と、緊張感はMAXです。おそるおそるクラッチをつなぐと、エンストすることなく、するするとクルマが動き出します。このときは「オレは運転が上手いのかも」と思いました。運転が難しいとされている車種だったからです。少しクルマの動きにも慣れてきて、ふとルームミラーを見てみると、セールス氏が片膝をついて横になり、居眠りをしています。筆者と目が合い、咄嗟に姿勢を正しましたが、完全に舐められてるなとそこで理解しました。・・・悔しかったですね。あまりに悔しくて「ぜったいにこのクルマ買ってやる!」そう心に誓いました。このときの体験が原動力になったわけではありませんが、結果として、中古車を手に入れることになるのですが・・・。それからしばらくして、そのショールームは閉店。取り壊されてしまいました。あのセールス氏はどうなったのでしょうか。
そのうち、相手の対応が変わってきた・・・ような気がする
いつの間にか筆者も(もちろんこの記事を読んでいただいている方も)、時間に追われているうちにを「アラフォー世代」となっていました。年齢を重ねて風格?が出てきたのか、はたまた図々しくなったのか、単に年を取っただけなのか、自動車ディーラーや自動車販売店の塩対応を受けることも少なくなってきたように思います。と同時に「冷やかし」でクルマを観に行くこともほぼなくなりました。遅まきながら、スタッフさんの業務時間を奪っていることに気づいたからです。
少し前に「趣味は試乗!」というCMもありましたが、現場の方からすれば「勘弁してくれよ」が本音なわけです。それでも、購入するには至らないまでも、どうしてもこの目で確かめてみたい、実車に触れてみたいニューモデルや中古車がしばしば現れます。そんなときは「どうしても実車が観たかったからきただけ」であることを最初に伝えて、なるべく業務の支障にならないように放置プレイでお願いするようにしています(時間があり、話し好きなセールス氏だと雑談に付き合ってくれます。*これは筆者のやり方であり、考え方なので、皆さんに推奨するわけではありません)。
大人になって辛い思いをしたくない。それならいっそ・・・
自分にはハードルが高い、あるいは買うまでには至らない、すでに絶版車となり、触れる機会がない・・・等々。どうしても乗りたいクルマがある場合、自動車ディーラーや街の自動車販売店に行って眺めるしかありません。ほとんどの場合、試乗するのはなかなかハードルが高いものです。中古車であれば「ほぼほぼ買う前提」でなければ助手席での試乗も難しいかもしれません。
お互いの幸せ(?)のために、ユーザー側も「試乗するのが目的」なら、わざわざ自動車ディーラーや街の自動車販売店へ足を運ばずに、クルマに試しに乗れるサービスを活用するのも有効な手段ではないでしょうか。大手レンタカーサービスだと「自分にはハードルが高い、あるいは買うまでには至らない、すでに絶版車」といったクルマは難しいでしょうが、カーシェアリングサービスであれば意外に見つかりそうです。
もし、関係者の方がこの記事を読んでくださっているとしたら・・・、あきらかにホットなお客さんでなくても、神対応を!までとはいいません。ごくごく普通に接していただけると助かります。ある程度の年齢を重ねてから、自動車ディーラーや自動車販売店で塩対応をされるのは、正直いってかなりしんどいのです。何だかそのブランドやメーカーに拒絶されたような気分になってしまいますので・・・。
[ライター/江上透]
※当記事は過去公開した記事の再編集版です