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中古車の豆知識

更新2024.05.15

クルマの購入はキャンセルできる?クルマを買うときに起こるトラブルを解説

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外車王SOKEN編集部

クルマの購入を前向きに検討していたものの、何らかの理由によりキャンセルしなければならなくなってしまうこともあるでしょう。今回はクルマの購入を決断したものの、やむを得ない事情によりキャンセルしなければならなくなった場合の対応方法や起こり得るトラブルについて解説します。


クルマの契約をキャンセルできるケース



クルマは大きな買い物であるため、購入時には慎重になるものです。収支の状況を踏まえてローンの支払いに困らないかを考え、さらに家族に相談したうえで購入を判断するという方がほとんどでしょう。


しかし、やむを得ない事情により、クルマの購入をキャンセルしなければならなくなることもあります。


原則として、契約後の一方的なキャンセルはできません。ただし、販売店との合意があったり、瑕疵があったりする場合はキャンセルできます。ここからは、クルマの購入をキャンセルできるケースについて、詳しくみていきましょう。 


契約が成立していない


クルマの購入契約が成立していない段階であれば、キャンセルできます。


売買契約は、正式な契約書を交わしたかどうかではなく、売主と買主が契約内容に合意した時点で成立します。また、契約成立後は、売主・買主ともに、一方的に契約を取り消せないというのが、契約の基本を定める民法上の原則です。


クルマは、よく考えて検討してから購入するものと考えられていることもあり、クーリングオフの適用除外とされています。そのため、契約直後でも、購入者・契約者から一方的にクルマの売買契約を解約することはできません。一度結んだクルマの売買契約の解約については、各業者と交わす契約書や注文書の記載内容によって決まるのが基本です。契約時は内容をしっかりと確認し、疑問点や不明点があるときは契約前に聞いておきましょう。


また、一般社団法人日本自動車販売協会連合会と一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会が作成しているクルマの売買契約によると、クルマを現金などで購入する場合、契約成立時期は、以下のうちいずれか早い日とされています。


・購入者の名義に登録された日
・注文により販売業者が修理・改造・架装などに着手した日
・クルマの引渡しがなされた日


参考:自動車業界における契約の成立|一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会


この契約成立時期に従って売買契約をした場合は、販売店の損害に見合うキャンセル料を支払うことでキャンセル可能です。損害の額については「注文以降に要した実費(車庫証明の申請にかかった費用など)」と考えられているため、「他の人がクルマを見に来たのに売ることができなかった」など営業活動上の損失(逸失利益)は契約者の負担になりません。


瑕疵(かし)があった


瑕疵があった場合は、購入のキャンセルが可能です。


クルマの売買における瑕疵とは、伝えるべき内容を伝えていなかったということを指します。たとえば、販売店はクルマにキズがあることを知っていたものの、購入者にキズのことを伝えずに販売してしまった場合、販売店に瑕疵があると判断されるため、契約をキャンセルできると考えられています。


しかし、販売店側がクルマの情報や購入条件などを漏れなく伝えていたのにもかかわらず、購入者が聞きそびれた場合は販売店側に瑕疵はありません。そのため、契約書の内容や商談時の内容はしっかりと理解しておきましょう。


未成年が親権者の同意なしに契約していた


未成年が親権者の同意なしに契約していた場合も、購入のキャンセルが可能です。


民法第5条「未成年者の法律行為」には、



未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない



と定められています。そのため、未成年者が親権者の合意なしにクルマの売買契約(法律行為)をした場合は、キャンセルできます。


引用:民法「第5条」


販売店の同意を得た


販売店が購入者のキャンセル申し込みに合意した場合は、合意解除という形でキャンセルできます。


何らかの事情によりクルマを購入できなくなった場合は、まず合意解除できるか販売店に相談してみましょう。もし、合意解除できない場合には、契約成立時期を確認して、キャンセルできるか聞いてみてください。


契約の規定に従ってキャンセル料を支払った


キャンセル料を支払うと、契約解除という形でキャンセルできます。ただし、契約書や注文書にキャンセルについて明記されている場合に限るため、契約書や注文書に記載があるか確認しておきましょう。


また、キャンセル料は「合理的な額」でなければなりません。キャンセル料に納得できない場合は、販売店に金額の根拠を聞いたり、消費生活センターに相談したりしましょう。


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クルマのキャンセル時の頭金・手付金の扱い



クルマの購入をキャンセルしなければならなくなったときに、すでに手付金や頭金を支払ってしまっている場合もあるでしょう。ここからは、契約キャンセル時に手付金や頭金がどのようになるのか解説します。


頭金は返金される


頭金は、先にまとめて支払うクルマの代金の一部です。そのため、購入をキャンセルした場合は返金されます。


手付金は原則的に返金されない


手付金は、購入の申し込み意思を保証するものとして支払う代金です。当初の予定通り購入するのであればクルマの代金に充てられます。一方で購入をキャンセルした場合は、手付金をキャンセル料に充てられるケースが多いため、原則として返金されません


クルマのキャンセルに関するトラブル事例


クルマの購入キャンセルに関するトラブルは度々発生しています。ここでは、起こる可能性があるクルマのキャンセルのトラブルをいくつか紹介します。


・契約書を交わした直後にキャンセルしたもののキャンセル料を請求された
・100万円のクルマの購入をキャンセルしたらキャンセル料として30万円請求された


など


多くのトラブルで重要なのは「いつ契約が成立したのか」という点です。前述のとおり、契約成立前であればキャンセルできます。また、キャンセル料が予想以上に高額だった場合には、金額の根拠を販売店に確認しましょう。


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まとめ


クルマは金額の大きい買い物であるため、慎重に検討してから売買契約をすることが重要です。原則として、売手と買手が契約内容に合意した時点で契約成立とみなされ、合意後のキャンセルはできません。


やむを得ない事情によりキャンセルする場合には、まず合意解除できるか販売店に相談しましょう。合意解除できない場合は、契約成立時期の確認をしたり、キャンセル料を支払ったりして契約を解除することになります。


キャンセルによって、トラブルを起こさないようにするためにも、クルマを購入するときは慎重に判断しましょう。

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