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メンテナンス

更新2017.05.19

玉石混交?愛車のボディーコーティングに10万円は高いか否か

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松村 透

ご自身の愛車にボディーコーティングを施工している方、結構な割合でいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、ひとくちにコーティングといっても、ガラス系や樹脂系、親水・撥水など、さまざまな種類があり、液剤や工具、施工方法も日々進化していることはご存知でしょうか?

私が免許取立てのころ、かれこれ20年くらい前になります。とにかくクルマに触れる仕事がしたいという思いから、知人の紹介でウィンドウフィルムとボディーコーティングを施工するショップでアルバイトをすることになりました。

そのショップは、当時耐久性と視認性がよいと評判のアメリカ製の「マディコ」というフィルムメーカーを取り扱う数少ない店舗であったため、現在でも活躍しているミュージシャンの愛車や、珍しい輸入車や最新モデルが毎日のように持ち込まれる、夢のような環境だったのです。アルバイトですから、忙しい現場の方に代わり、普段なら触ることも憚れるような高級車の納車や引き取りもよくやりました。それまでまったく経験がなかった左ハンドル車の運転も、このアルバイトで習得したようなものでした。

コーティングの依頼でやってくる、納車前のぴかぴかの新車たち…。そこにボディコーティングを施工するのですが、新車で持ち込まれたクルマは、バフ掛けをして、塗装の表面を整える作業は行ないませんでした。実際には「シリコンオフ」という液剤で脱脂をした後にスポンジで液剤を塗って一晩寝かし、固着したものをネル素材のウェスで拭き上げるという、よくいえばシンプルな、逆にいえば手抜きともいえなくもない方法で引き渡していました。



これで、当時、W140が主流だったメルセデス・ベンツSクラスにウン万円という価格設定をしていたので、かなり利益率の高い商売だったように思います。余談ですが、W140のウィンドウフィルムを貼るのはとても簡単で(特に両サイド)、まさにドル箱だったのです。逆に大変だったのは、ポルシェ928のリアクォーターや、シボレー・コルベット(C4)のリアガラスです。ポルシェ911のリアガラスも、一見同じに見えますが、形状や熱線の配置が微妙に異なるのを知ったのもこの仕事でした。

ここでの体験を通じ、まだまだ世間知らずだった私ですら「ショップ選びは大事だ!」と痛感させられたのはいうまでもありません。

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さて、今回の記事は、ガラス系や樹脂系…どのコーティングがベストかを探る内容ではありません。仕事や身銭を切った経験から「安心して任せられるショップの見分け方」をご紹介できればと思います。

コーティングを依頼する際、どこまでの仕上がりを求めるのか?


予算が青天井という方は少ないと思われます。また、施工後に定期的なメンテナンスに手間暇を惜しまないか、できれば一度施工したらあまり手間を掛けたくないかによって、ショップ選びも変わってきます。自分の予算やコーティングに求める方向性を事前にまとめておくと、後々「こんなはずではなかった!」という事態は回避できます。

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ディーラーのコーティングはありorなしか?


「とりあえずコーティングしてあればok」レベルの仕上がりを求めるならありだと思います。大抵は外部の業者さんがディーラーに出張してきて施工する場合がほとんどですが、びっくりするほど丁寧な施工をしてくださる方もこの目でみました。その逆も然りです。通常はなかなか見極めが難しい部分だと思うので、不安に感じるようなら専門店に託した方がよさそうです。

5年保証のコーティングは本当なのか?


10年くらい前ですが、この○年保証が問題になったことがありました。コーティングの皮膜は、塗装のように目に見えるものではないし、劣化スピードを見分けるのも難しい点があります。何より明確な基準がありません。○年保証=メンテナンスフリーというわけではないので、施工後の条件をきちんと把握した上で依頼した方が安心です。

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高額なコーティング=本当に上質なコーティングか?


車種にもよりますが、10万円前後またはそれ以上の施工費を掲げているところであれば、相当なこだわりと自信があるとみて良いと思います。問題は別のところにあります。「とにかくピカピカにして」…等、漠然としたリクエストなら良いのですが、ユーザー側がコーティングに求める理想像が明確であればあるほど、ショップの方との相性、コーティングへの考え方などが合致するか否かも重要になってくると思います。



安心して任せられるコーティングのショップとは?


以下がすべてだとは思いませんが、仕事や自身の体験、あるいはオーナーインタビュー(やはりコーティングにこだわりをお持ちの方が多かったです)などから得たものを集約して、下記にまとめてみました。ショップ選びの際、何らかのお役に立てればと思います。

1.Webサイトが充実していること
デザインや見やすさはさておき(これも重要ですが)、いかに自社のコーティングに(設備・液剤・仕上がり等)こだわりを持っているか「多少くどいくらい」一生懸命に伝えようとしているショップであればまず安心です。あとは、オーナーとそのショップとの相性が重要になってくるかと思います。

2.設備等、内部の様子を開示してくれるところ
コーティングの作業中は、外部からの不純物を防ぎたい、危ないから…等々、見せてもらえないケースもあります(私がいたショップでも作業中の立ち入りはお断りしていました。危ないし、お客様が汚れてしまう可能性もあるので)。そういったショップは、Webサイトなどで紹介しているはずなので、そちらを参考にすればよいかと思います。

3.コーティングに対して独自の見解を持っていること
ひとことに集約すれば「こだわり」にくくられるのでしょうか・・・。施工方法、メンテナンス、液剤やバブなどの資材の使い方や選び方、仕上がりのレベル、接遇を含め、一家言を持っていると思うのです。繰り返しになりますが、自己主張の強さにも比例してくるので、ショップとの相性は重要になってくるかと思います。

4.日々、進化していること
前述したように、塗装の技術同様、コーティングも日々進化しています。もしかしたら「ウチはこの方法だからやり方は変えない!」というショップがあるかもしれません。その考え方を否定するつもりはありませんが、ユーザーからすれば「1円でも価格を抑えつつ、1日でも長く効果が持続する(塗装を保護する)コーティング」が理想だと思うのです。採用するか否かは別にして、ひとまず最新の技術や情報をつねに追いかけてくれるショップでれば、安心材料のひとつといえそうです。



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自分に合ったコーティングのショップを見つける最短ルートとは?


これはクルマの主治医を見つけるときと同様で、誰かの紹介が一番安心だと思います。この人にはこのショップが合うだろう…。このショップとは相性が良いだろうと思って紹介してくれる場合が多く、実際に安心です。私が10数年お世話になっているショップも知人の紹介でした。実際、本当に安心してお願いできるので、愛車を大事にしたいという友人も紹介しました。そのショップをここでご紹介したいくらいなのですが、記事広告ではないので、泣く泣く伏せます。

コーティングのショップと飲食店選び。どちらもインターネットで調べれば無数の選択肢があります。しかし、実際に足を運んでみないとなかなか真実は見えにくいものです。そこで、身近なひと、できれば情報通なひとに教えてもらうのが安心・確実ではないでしょうか。身近にその種の情報に聡い人がいなければ、SNSや個人のブログなどで熱心に活動している、ご自身と感覚が合いそうな方に事情を伝えみてください。必ずといってよいほど力になってくれるはずです。

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