
ドライブ
更新2023.11.22
「真の贅沢」〜キャンピングカーで勝浦の朝市へ
中込 健太郎
ハイエースベースの「oreo」でおでかけ

今回キャンピングカーをお借りしたのは、中古車買取販売大手のガリバーインターナショナルが、単に自動車の販売をするだけではなくイオンモール木更津にオープンした、地元房総へ「もっとおでかけをしましょう!」をテーマにオープンした「HUNT」。ここの『おでかけアンバサダー』もつとめていることもあって、最近では週に一度木更津に出向いていますわたくし。そんなご縁もあって、HUNTがこのほど取り扱いを始めた新車のキャンピングカーのラインナップの中から、ハイエースの標準ハイルーフをベースにした「oreo」を拝借することになりました。
5人就寝8人乗車という仕様は、気軽にお出かけにも十分なキャパシティをもっていると言えるのではないでしょうか。排気量2000ccのガソリンエンジンはお世辞にもパワフルとはいえませんが、重心の高い板バネ仕様というベース車両の状況は、決して乗用車のベースにして、楽観的に快適性を期待できる代物ではありません。しかしいざ乗ってみるとなかなかよいのです。
キャンピングカーはそもそも造作物がたくさん積まれています。カーブの前で強めのブレーキングをかけておいてから一気にアクセル…というような勢いで走っているとベッドに変形する際に必要なマットのパネルなどが飛び出してきかねない勢いなのです。そしてそれらは、バネ上での適度な「恒常的おもり」にもなっているので、バン特有のばたつきや、後輪付近からのノイズも低減されているように感じます。キャブオーバーがたのクルマを姿勢を崩さずに運転するのはクリエイティブであるとさえ思わせられるのです。一定の「運転に寄せる意識」はこのクルマであっても存在するというのはこのクルマで千葉県内を走り回って感じたことでした。
加えて、とはいえ決してプレジャーとは言いがたいこのクルマでの移動において、もともと乗用を想定していなかったからこその高い目線としっかりとせり立った窓は、この国の国道をのんびり走って移動するとすばらしい車窓の移ろいが楽しめることになっているのです。
キャンピングカーにすると、しっかりとグランドツーリングカーになるのだと言うことを改めて実感した次第です。
目を覚ます。扉を開けると潮騒の向こうから新しい朝が顔を出す

真骨頂はもちろん、車中泊をしてその明くる朝のことです。非常にクッションのいいこのクルマはついついのんびり、ぐっすりと寝てしまいます。勝浦の市外を抜けしばらく行くと、海側に駐車場があります。そんなところにクルマを停め、夜が開け、ゆっくりとまどろみのうちに目を覚ますと、その朝のすばらしいことと言ったらありません。何でもない朝がこんなにも美しいとは。これを見る、ここで「夜を明かすだけ」。たったそれだけのことが意味する価値の大きさ、深さを納得することになるのではないでしょうか。
日本三大朝市の一つ「勝浦の朝市」

港町の朝は早いですね。腰の曲がったようなおばあさん。でも皆さん元気ですね。房総の海の幸、ばかりか周辺の野山の幸、くずもちなんかも売っています。うろうろしていたら「アジ丸食べてってぇ」とお母さんに呼び止められます。かわいい名前の「アジ丸」?と思ったら、開きではなく、小振りのアジをそのまま丸干ししたものだそうです。「はい」と写真の焼き上がったものを一尾まるまる渡されました。味見が豪快です。
…うまい!
味が濃くて、確かに開きに勝るとも劣らない旨さ。しっぽが黄金色の「黄金アジ」先日富津でアジフライをいただいたのですがあれも美味しかったものなああ。発泡スチロールの箱に15匹くらい入っているでしょうか?500円。迷わず買うでしょう。…こんな勢いで30分も歩いていると両手がいっぱい。買い込んでしまいました。
一度見てみたかったビッグひな祭り

全国にたくさんある「○○勝浦」から集まったお人形の里親になったのが始まりだそうですが、町のあちこちに大規模なひな人形が飾られます。勇壮なのですが、日本の人形というのはなかなか一体一体が異なっていて、表情も様々。凛々しかったり、ちょっともの憂げだったり、豪快だったり、端整だったり。よく見るとこれも面白いものです。一度お出かけになってみてはいかがでしょうか。
[ライター・画像/中込健太郎]
※当記事は過去公開した記事の再編集版です