ドイツ現地レポ
更新2019.11.07
ベルリン最大の屋内カート場「ベルリンカート」を実際に体験!多くの人々で賑わいを見せるレース、さてその結果は?
守屋 健
筆者は個人的にカートの運転が大好きなのですが、ベルリンの屋内カート場は「かなり大きい」という話を聞いていたので、期待に胸を膨らませて行ってきました。今回は、このカート場について、実際に走った経験をもとにレポートしたいと思います!
ノイケルンに位置する大型屋内カート場
ベルリンの南側にあるディープな地域、ノイケルン。何がディープなのかというと、トルコ系や中東系の移民が多く、「ヨーロッパの街とは思えない」と現地のドイツ人が言うほど、異国情緒にあふれるエリアとして知られています。そんなノイケルンの区役所の近くに、その名も「ベルリンカート(Berlin Kart)」があります。
隣にベルリンのビール会社「ベルリナーキントル(Berliner Kindl)」が運営する美術館があるのですが、そこから撮った上からの写真がこちら。もともとは工場か何かだったのでしょうか?そのあたりの情報は確認できませんでしたが、それにしてもかなり大きく広い!
こちらは入口の正面写真。壊れた自転車が無造作に放置され、落書きされた壁に、周囲は工事中…。だいぶ殺伐とした雰囲気で、実際に営業しているか不安になる外観ではありますが、中からはカートのエンジン音が漏れ聞こえてきます。早速入ってみましょう!
11月1日から新型車両が導入されたばかり
受付前に鎮座するピカピカのカート。実は、11月1日から新しいカートの車種が導入されたばかりで、公式ウェブサイトでも盛んに宣伝されていました。こちらの表彰台は耐久レースやイベントなどで使用されるようで、後ろのスポンサー群といい、なかなか本格的な佇まい。
飲み物などを頼めるカウンターで、参加についての受付を済ませます。実は、取材当日は日曜日で、多くのドライバーが集結。かなり長めのレースプランが進行している時間帯でした。価格表のうち、お試し走行に当たる「15分プラン」で走りたかったのですが、2時間後までこのプランは「コースが空きがないのでできない」とのこと。それより長い「25分」「35分」「45分」「55分」「65分」の各プランのうち、「25分プラン」はすぐに参加できるよ!とのことで、15分予選・10分本戦のこの「25分プラン」を申し込みます。
カートは6.5psと11psの2種類から選択できましたが、初めてのコースということで6.5psを選び、ヘルメット内部に被るバラクラバ(目出し帽)代金の2ユーロと合わせて、35ユーロを支払います(現金だけでなく、カード払いも可)。「このカートは2日前に入ってきたばかりなんだ。全くの新品だよ!楽しんで!」と受付の方が笑顔で送り出してくれました。
ちなみに、公式ウェブサイトによると、12歳以上・身長155cm以上なら運転可能(土日のみ16歳以上)です。また、身分証明書(パスポートなど)や運転免許証(ドイツもしくはEU内で有効なもの)の提示が求められる場合があります。
コース全長は752m!
中に入ると、前のグループが本戦中だったようで、まさに真剣勝負の真っ最中。カートを豪快に滑らせながら、抜きつ抜かれつのレースを展開していました。「排気施設完備」と公式ウェブサイトには書かれていましたが、実際は濃厚なガソリンとオイルの匂いが漂う空間に、嫌が応にも気分が盛り上がります。
待機しているカートたちと、コースレイアウト、理想的な走行ラインやフラッグに関する解説。使用しているカートは、フランスの世界的カートメーカー「Sodikart」製の「SR5(6.5ps)」と「RT8(11ps)」の2種類で、この日は新規に導入された「SR5」をメインで使用していました。コースの長さは室内にもかかわらず752m!もあり、1週あたりのラップタイムは1分15秒前後といったところでしょうか。着座ポイントが低いので、体感速度はかなり速く、周回数が増えると体力、気力とともにかなり持っていかれます。
筆者、不甲斐ない結果に終わる
実際に走行したところ、路面がかなり滑りやすく、思いのほか繊細なステアリング操作とブレーキ操作が求められました。コースは直線が短く、ヘアピンが多いかなりテクニカルな仕様。スピンこそしなかったものの、なかなかペースが上げられず、結局コースを覚える前にレースが終了してしまいました。結局、10人中7位という結果に…。
一緒に走ったドライバーたちと、下から数えた方が早い自らの順位結果に、納得のいっていない憮然とした筆者(青いダウンジャケット着用)。かなり悔しい結果に終わったので、ぜひ再トライしたいと思います!というより、平日にコツコツと練習したいですね。
天候に左右されず、かつプリミティブなモータースポーツとして、ベルリンに根付いている大型屋内カート場「ベルリンカート」。外観の殺伐とした雰囲気とは裏腹に、多くの人々で賑わうアットホームな空間に、筆者はすっかり虜になってしまいました。モータースポーツ大国のドイツで、最も身近に、手軽に体験できる「真剣勝負のレース」がここにあります。こうした施設がなくなることなく、いつまでも存続してほしいですね!
Berlin Kart公式ウェブサイト:berlin-kart.de
[ライター・カメラ/守屋健]