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よもやま話

更新2023.11.22

メルセデスベンツ E220ブルーテックに試乗!待望の4発ディーゼル上陸

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中込 健太郎

メルセデスベンツがこのほど、E220ブルーテック、CLS220ブルーテックを発表したことが興味深くてしかたありませんでした。

Eクラスのエントリーグレードに、待望の「4発ディーゼル」上陸!



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昔からカーグラフィックを読みあさっていた諸兄にとっては、メルセデスベンツのディーゼルエンジンの出色のできや、それが選べない日本におけるラインナップ的機会損失を嘆く人のどれだけおおかったことでしょう。昨今日本のマーケットでもその優位性を好むユーザーが増えてきて、BMWでは車種によって4気筒、6気筒二種類のディーゼルエンジンを用意するほか、マツダの近年のディーゼルエンジン押し、「ロータリーエンジン?何のことでしょうか。」と言わんばかりの勢いは、ここで改めて説明する必要はないでしょう。

もっとも、あのエンジンの質感、ドライブフィールは確実にロータリー車をテストしてたドライバーが入れ知恵しているな、という片鱗を見逃すことはできないのがまた憎いところでありますがw

さてそんな中、発表されたメルセデス・ベンツE220ブルーテック、CLS220ブルーテックですが、要は日本でもドンガラボディに量販ディーゼルが搭載されたのです。そしてそれはCLSのエントリーグレードとして採用されたことでもわかるように、ある程度のプレミアムカーでも訴求力があると判断できるものに違いないのです。ラインナップ構成上のキャラクターばかりでなく乗り味にも当然興味が湧くというもの。

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このたびのE220ブルーテックは「追加設定」だというのです



このエンジンが登場したことで、Eクラスに既に設定されていた3000ccの6気筒のDOHCのディーゼルエンジン、廃盤になるのかなあ・・・と少し寂しい気持ちになったりしていました。関西往復無給油でかなりいいペースを保ちつつ往復できる経済性と、借りたクルマがガソリンの6気筒ではないかと「一度降りて確認しないと行けないレベルの静粛性」を備えた、理想的な実用車だったからです。

ところが、このたびのE220ブルーテックは「追加設定」だというのです。日本で一車種の中に二種類のクリーンディーゼルエンジンが選べる車種は他にあるでしょうか。(アルピナD3と320dは同じディーラーで買えるという点ではもしかするとこれに該当するといえるかもしれませんが。)

そして、「選べる」だけでなく、価格表を見ると一番ベーシックなモデルとして、今回追加されたE220ブルーテックアバンギャルドは、E250ブルーテックアバンギャルドと同じ687万円という価格が設定されているのです。つまりこの2200ccのDOHC4気筒ディーゼルエンジンは新時代の「スタンダード」という風にも見ることができるのではないでしょうか。

ん?よく見ると「E220ブルーテック」という受注生産の最廉価グレードまで599万円で用意されていて、E250では選択できない仕様まであるではありませんか!Eクラスと言えば牢固とした「自動車のスタンダード」という意味合いをそのキャラクターは内包していると思うのですが、それを担うエンジンということになるのです。

偶然通りかかった、六本木のメルセデスベンツコネクションには、早速、鮮やかなヒヤシンスレッド(カラーコード996)の「E220ブルーテック アバンギャルドワゴン」がテストドライブに供されていましたので、乗せていただくことにしました。

このE220ブルーテック、今度は降りて確認の必要はありません



早速運転席に座りエンジンをかけると、「ごろごろ」とアイドル時には比較的大きめのディーゼルエンジンらしい音がします。以前6気筒のディーゼルE350ブルーテックで感じたような、「ガソリンの6発と間違えたか?」ということはありません。そこには「あらまほしディーゼルエンジンの姿」があります。しかし、これもあくまで比較的な話。室内へのエンジン音の侵入は上手くフィルタリングされていますし、何より、ステアリングなど、メカニカルな部分との接点からの振動も奇麗に排除されています。想定され得るネガティブな面には配慮が行き届いている印象を受けました。

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鼻先の軽さは、前後長の短いエンジンによるところも大きいのでは



そして走り出してみると、鼻先の軽くなった重量バランスと、4気筒らしい出力特性を上手くとらえて、より若々しい走り出しを見せてくれるのでした。246を赤坂見附でUターンというルートですが、最近の非常に好感の持てるメルセデスベンツの4気筒の乗り味を手に入れつつ、従来のE250のガソリン4気筒エンジンに輪をかけて大幅に増加したトルク特性はディーゼルエンジンならでは。

このモデル「で」いいという妥協、ではなく、このクルマ以外をどうしても求めるのは大なり小なり贅沢だと思うほど、十分でありそれ以上の満足感を備えたエンジンでした。もちろんメルセデスベンツという高級車ブランドだからこそ、その贅沢はとがめられるような話ではありません。しかし、この最もエントリーなモデルとなったE220ブルーテックでも、寂しい想いをすることはない。そういう性能を担保している点は改めて強調しておきたいところです。

「明日の100より今日の50」 街中ではE350ブルーテックに対してさえも優位?



正直この都心のストップアンドゴーを繰り返す港区内を走って思ったのは、こういう都市部がおおい場合には、上級車グレードのディーゼルモデルE350ブルーテックに対してさえもアドバンテージがあるように感じました。E350ブルーテックは最大トルク620N・mを1600〜2400rpmで発生します。これはちょっと「法外」なレベルのトルクの絶対値ではあるのですが、実は、このトルクの値ではなく、発生回転数に秘密があるのではないかと思うのです。

E220ブルーテックのトルクは400N・m。これも絶対的にはかなり十分な数値ですが、発生回転数がE350より200回転低い1400回転から400回転高い2800回転まで「耳を揃えて」、フラットに止めどなく発生し続けるのです。ストップアンドゴーや低速で急坂のおおい市街地ではこれは実に頼もしいのではないでしょうか。過剰なトルクより少し落ちても、十分なトルクなら、低回転で発生した方が街中では有利ですよね。なんとなく上のことわざを思い出しました。

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メルセデスベンツ E220ブルーテック、「理想の一台」ではないか



今の水準でもガソリンの3000ccくらいのトルクはあるでしょうし、少し前ならV8の4000ccとかのレベルでしょう。それを4気筒らしくさくさくと発生してくれるチューニング。走らせたらそういうクルマの倍〜3倍くらいの距離は走るでしょう。軽油の価格はハイオクガソリンの7掛け程度。ランニングコストで見ると35%くらいで済むということになります。分割払いで購入する場合、多少長く組んで買っても、場合によっては経済的なのではないか。ちょっとしたクルマでも400万円程度する昨今、昔からあまり変わらない価格帯ながら、ディーゼルエンジン仕様の拡充。しかもリーズナブルなラインナップに切り込んできたということで「そろそろメルセデス」という啓示が聞こえるという方もおおいかもしれません。

素直な加速、自然な制動、想い通りの旋回。もっと身近にもっときびきびと走れるE220ブルーテック。第一印象実に好感の一台であるのでした。是非皆様も、お近くのメルセデスベンツのお店や、お近くのメルセデスベンツコネクションで、一度お試しいただいてはいかがでしょうか?

▼メルセデスベンツE220の公式サイト
http://www.engine-revolution.jp/e220/

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