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更新2020.08.21
「メルセデス・ベンツ 230-6」でのスモールベンツライフ!輸入車オタクの回顧録
山本 圭亮
ども!カレントライフのファンの皆様こんにちは!ライター山本です。私は20歳の頃から輸入車に乗っていましたが、人と違う路線のクルマを探し、乗り続けてまいりました。ここではその「迷車」「珍車」をエピソード交えて紹介させていただきます。
前回、私のオタク回顧録は「フィアット X1-9」でしたが、今回も私にとっては思い出の一台、「メルセデス・ベンツ 230-6」になります。生まれて初めての高級車!どんなベンツライフだったのでしょうか?
「元祖『スモールベンツ』と言われたクルマ」
このクルマと出会ったのは私が32歳の時、転職を機にクルマもと言う安易な考えで、お金がないこの時期に行きつけの旧車屋さんに行きました。(笑)するといつも陽気な社長さんが、「山ちゃん、このクルマキャンセルされちゃったんだけど乗らない?」と言って店の奥に停まっていた白の4ドア「1973年型 メルセデス・ベンツ 230-6」を薦めてきました。しかし、最近スポーツタイプのクルマしか乗っていなかった私には「ピン」と来ませんでした。社交辞令で「おいくらですか?」と聞くと「68万」とのこと。私は、予算が40万位の「変態車」を探していたので、内心「ないな。」と思っていました。そうです。間違いなく乗るつもりはなかったのです。
「内装にやられてしまいました。」
ところが、ここから陽気な社長は私に揺さぶりをかけてきます。予算が足りないから断わりを入れようとすると「今、いくらあるの?」と聞かれたので「35万」と答えました。すると社長が「じゃあ残りはある時でいいよ」と言う悪魔の囁きを。それでも、「いやいや好きなクルマじゃないし」と思いながらも、社長のペースにハマり運転席に。「あ~なんて素敵な内装!」と思ってしまったのが最後、帰り道はベンツに乗って帰ってしまっている自分がいました。そしてお金があるとき払いの「山ちゃんBOX」が出来、以前に乗っていた「NⅢ360」を15万で下取りしてもらい、残金約20万の借金となるのです。しかし、これが減らないのです。それは「修理代」と言うモンスターに喰われて行くからなんです。
「純正ホイルキャップと3.5用のハンドル。これだけで借金は増えてしまう事に。」
順調に借金を減らしている所で、小さなトラブルが発生します。それは突然のオーバーヒートです。電動ファンも順調に回っているのに水温がレッドゾーンへ突入してしまい、クルマを停め社長に電話を入れると、ラジエーターホースとキャップがダメかもしれないとの返事が。そこで発注をかけてもらい、交換をお願いすることにしました。すると部品代込みで「5万円」の出費となり、本体価格用に貯めていたお金は、すべて修理代となってしまいました。しかし、そんな事ではめげない私は、このクルマに徐々にお金をかけて行ってしまうのです。どうしても欲しかった純正ホイルキャップ(もちろん車体と同色)がある日、お店に行くとあるではありませんか。「どうしたの?」と興奮して聞く私に、半笑いしながら社長が「これ、キャンセルした人が欲しいといってたから、発注してあったのが届いたんだよ」と。そして、私は勿論買うことに(笑)また、10日程後にお店に訪れると、そこには3.5用の白いハンドルが・・・。勿論買ってしまい、借金はプラス10万になり中々減らなかったのです。そして事件は起きました。
「今となってはもう一回乗りたいクルマBEST5に入っています(笑)」
しばらく何事もなく快調なベンツはある日、回転数が下がらないと言う現象に陥ります。お店に持っていくと、部品交換ですぐ治ると言うことなので預けて、代車の「プジョー205」で帰ることにしました。ところが、それが「ベンツ230-6」との最後の別れとなったのです。修理が終わっていると思い店を訪ねるとクルマがありません。社長がいなかったので従業員さんに聞くと「え?山ちゃん、あのクルマ手放したんでしょ?」と信じられない言葉が・・・・。売ってないよ、と答えると次のお客さんに納品したとのこと。頭の中が真っ白になりました。そうです。いわゆる「二重売り」です。私は残金があったので名義変更をしていませんでした。ですから、いとも簡単に二重売りが出来たのです。
「無理やり新相棒となったプジョー205」
それから、社長は滅多に店に現れなくなりました。ベンツを返して、とお願いしても伝言ゲームで返答が帰ってくるだけ。完済してなかったからこっちは売る権利があるとのこと。調子にのって言われるまま、ハンドルやホイルキャップを買わなければとっくに完済していたのに・・・と悔やんでも後の祭り。ベンツはヴァージョンアップして、他人の手に渡って行きました(笑)これも自分の蒔いた種と言い聞かせ、代車のプジョーが自分のものにする事が出来たのが、せめてもの救いだったのかもしれません。その3か月後にお店は閉店となりました。やはり切羽詰まっていたのでしょう。これで暫くは、旧車生活とは縁のない清く正しいクルマライフを送る事に・・・なる予定だったのですが!?この続きはまたの機会に(笑)
今回の「輸入車オタク回顧録」は、珍しく故障とかではなく、手放した「ベンツ230-6」についてでした。このクルマは、今どこかで走っているのでしょうか?いつもとは違う哀愁漂う1台となってしまいました。また機会がありましたら、私の面白おかしく壮絶な体験談をご紹介できたらと思っております。
[ライター/山本圭亮]
前回、私のオタク回顧録は「フィアット X1-9」でしたが、今回も私にとっては思い出の一台、「メルセデス・ベンツ 230-6」になります。生まれて初めての高級車!どんなベンツライフだったのでしょうか?
「元祖『スモールベンツ』と言われたクルマ」
このクルマと出会ったのは私が32歳の時、転職を機にクルマもと言う安易な考えで、お金がないこの時期に行きつけの旧車屋さんに行きました。(笑)するといつも陽気な社長さんが、「山ちゃん、このクルマキャンセルされちゃったんだけど乗らない?」と言って店の奥に停まっていた白の4ドア「1973年型 メルセデス・ベンツ 230-6」を薦めてきました。しかし、最近スポーツタイプのクルマしか乗っていなかった私には「ピン」と来ませんでした。社交辞令で「おいくらですか?」と聞くと「68万」とのこと。私は、予算が40万位の「変態車」を探していたので、内心「ないな。」と思っていました。そうです。間違いなく乗るつもりはなかったのです。
「内装にやられてしまいました。」
ところが、ここから陽気な社長は私に揺さぶりをかけてきます。予算が足りないから断わりを入れようとすると「今、いくらあるの?」と聞かれたので「35万」と答えました。すると社長が「じゃあ残りはある時でいいよ」と言う悪魔の囁きを。それでも、「いやいや好きなクルマじゃないし」と思いながらも、社長のペースにハマり運転席に。「あ~なんて素敵な内装!」と思ってしまったのが最後、帰り道はベンツに乗って帰ってしまっている自分がいました。そしてお金があるとき払いの「山ちゃんBOX」が出来、以前に乗っていた「NⅢ360」を15万で下取りしてもらい、残金約20万の借金となるのです。しかし、これが減らないのです。それは「修理代」と言うモンスターに喰われて行くからなんです。
「純正ホイルキャップと3.5用のハンドル。これだけで借金は増えてしまう事に。」
順調に借金を減らしている所で、小さなトラブルが発生します。それは突然のオーバーヒートです。電動ファンも順調に回っているのに水温がレッドゾーンへ突入してしまい、クルマを停め社長に電話を入れると、ラジエーターホースとキャップがダメかもしれないとの返事が。そこで発注をかけてもらい、交換をお願いすることにしました。すると部品代込みで「5万円」の出費となり、本体価格用に貯めていたお金は、すべて修理代となってしまいました。しかし、そんな事ではめげない私は、このクルマに徐々にお金をかけて行ってしまうのです。どうしても欲しかった純正ホイルキャップ(もちろん車体と同色)がある日、お店に行くとあるではありませんか。「どうしたの?」と興奮して聞く私に、半笑いしながら社長が「これ、キャンセルした人が欲しいといってたから、発注してあったのが届いたんだよ」と。そして、私は勿論買うことに(笑)また、10日程後にお店に訪れると、そこには3.5用の白いハンドルが・・・。勿論買ってしまい、借金はプラス10万になり中々減らなかったのです。そして事件は起きました。
「今となってはもう一回乗りたいクルマBEST5に入っています(笑)」
しばらく何事もなく快調なベンツはある日、回転数が下がらないと言う現象に陥ります。お店に持っていくと、部品交換ですぐ治ると言うことなので預けて、代車の「プジョー205」で帰ることにしました。ところが、それが「ベンツ230-6」との最後の別れとなったのです。修理が終わっていると思い店を訪ねるとクルマがありません。社長がいなかったので従業員さんに聞くと「え?山ちゃん、あのクルマ手放したんでしょ?」と信じられない言葉が・・・・。売ってないよ、と答えると次のお客さんに納品したとのこと。頭の中が真っ白になりました。そうです。いわゆる「二重売り」です。私は残金があったので名義変更をしていませんでした。ですから、いとも簡単に二重売りが出来たのです。
「無理やり新相棒となったプジョー205」
それから、社長は滅多に店に現れなくなりました。ベンツを返して、とお願いしても伝言ゲームで返答が帰ってくるだけ。完済してなかったからこっちは売る権利があるとのこと。調子にのって言われるまま、ハンドルやホイルキャップを買わなければとっくに完済していたのに・・・と悔やんでも後の祭り。ベンツはヴァージョンアップして、他人の手に渡って行きました(笑)これも自分の蒔いた種と言い聞かせ、代車のプジョーが自分のものにする事が出来たのが、せめてもの救いだったのかもしれません。その3か月後にお店は閉店となりました。やはり切羽詰まっていたのでしょう。これで暫くは、旧車生活とは縁のない清く正しいクルマライフを送る事に・・・なる予定だったのですが!?この続きはまたの機会に(笑)
今回の「輸入車オタク回顧録」は、珍しく故障とかではなく、手放した「ベンツ230-6」についてでした。このクルマは、今どこかで走っているのでしょうか?いつもとは違う哀愁漂う1台となってしまいました。また機会がありましたら、私の面白おかしく壮絶な体験談をご紹介できたらと思っております。
[ライター/山本圭亮]