メンテナンス
更新2018.03.08
タイヤ交換だけで素のゴルフがメルセデス・ベンツに!? タイヤ本来の性能を発揮させる方法とは
外車王SOKEN PROMOTION
そして、いま世界中の道を走っているすべてのクルマにタイヤが装着されています。そのタイヤが「本来の性能を発揮することなく組まれて、走行している・・・かもしれない」ということをご存知ですか?それもかなりの確率で・・・。今回は、タイヤの交換時期を迎えた方はもちろんのこと、新車で購入したばかりというケースも含めて、タイヤとホイールが本来のセッティングになると、「こんなにクルマ運転が楽しくなるんだ!」ということが分かりました。その鍵を握るのが「タイヤのビード」です。
タイヤのビード部が歪むと、タイヤ本来の力が発揮できない?
タイヤとホイールが接している部分が「ビード部」にあたります。この部分はホイールとの密着度が重要であるため、強度のあるゴムが採用されています。さらに、ビードワイヤーという銅線の束によって補強され、ホイールと固定されているのです。
そのため、着脱には力を要することもしばしば。古いクルマであればなおさら大変な作業となります。この作業を長年繰り返すことで、腰を痛めるケースも少なくありません。また、力任せに作業することで、ビード部を歪ませてしまうこともあるのです。これがタイヤのパフォーマンスを大きく低下させてしまう要因なのです。
そこで、力任せにタイヤを着脱することでビード部を歪ませることなく、タイヤ本来の力を引き出すことができるアイテムをご紹介いたします。
タイヤ業界に激震と革命を!スーパー水溶性潤滑剤とは?
水溶性・弱アルカリ性の特性を活かし、タイヤのビード部とホイールを痛めることなく、スムーズかつ容易に交換できる潤滑剤が、Bead Liquid(以下、ビードリキッド)です。
タイヤを交換する際に潤滑剤として使われるのは、固形タイプのクリームが一般的です。一部では水溶性も使われているようですが、油性に近い特性のもので、交換作業に適しているとはいえないものでした。
ビードリキッドには以下のような特長があります。
・容易に素早くタイヤの脱着作業が可能
・ビード、ホイールを傷めることなく作業が可能
・アルミホール、スチールホイールの錆付防止
・ビードシーディング圧の低減
・タイヤの真円度の向上
「スムーズかつ容易にタイヤの交換作業ができる」「タイヤやホイールを痛めにくい」「タイヤの真円度の向上」などの効果を得ることができます。日々、設備や工具の精度が向上していても、タイヤ交換は人の手によるもの。力任せに作業していた方も、ビードリキッドを用いることで飛躍的に作業効率が向上するだけでなく、タイヤ本来の性能を発揮するための効果が大きく期待できるのです。
筆者のクルマを使って「正しい」タイヤ交換をしてみた!
・テスト車両:2015年式フォルクスワーゲン ゴルフ ラウンジ(2015年10月登録)
・タイヤサイズ:205/55 R16(F/R共通)
・交換時走行距離:28663km
・交換前:ブリヂストン TURANZA ER300(2014年50週製造)/残量5mm/窒素ガス充填
・交換後:ブリヂストン REGNO GR-XI(2017年29週製造)/窒素ガス充填
・実施日:2017年7月24日
筆者のクルマのタイヤはまだ残り溝があり、もうしばらく乗り続けてから交換する予定でした。新品のタイヤ交換なると決して安い出費ではないため、直前まで迷っていました。しかし、せっかくの機会なのでタイヤを交換することに。すると、驚くべき事実を知ることになります。タイヤの残り溝を目視するだけでは気づかない、プロならではのシビアかつ的確なチェックを目の当たりにしました。
▲1.筆者のVWゴルフに装着されていたブリヂストン TURANZA ER300(2014年50週製造)。4輪ともにショルダー部分に細かいひび割れがある状態
▲2.クルマからホイールを外し、それぞれのタイヤの状態をプロの眼でしっかりとチェックしていきます
▲3.今回、タイヤを交換していただいたスペシャリスト・I氏による空気圧とタイヤの状態の採点。85点の評価をいただき少しほっとしました。しかし、運転席のみ65点。その理由とは・・・?
▲4.運転席のタイヤのみ65点評価だった理由を解説していただきました。タイヤを回転させてチョークを当てると一目瞭然。タイヤが変形しており、バーストの兆候があるとこと。まさかそんな状態だったとは・・・
▲5.タイヤの縦方向に歪みがあることが確認できます(白いチョークのラインが均一ではなくムラがあることが分かります)
▲6.ここでビードリキッド登場。タイヤとホイールのすき間に噴射し、浸透させていきます。スプレーするだけで、特別な技術やコツはいらないようです
▲7.力を掛けるため、腰を痛める方が多いタイヤ交換。ビードリキッドを噴射することで潤滑油の役目を果たし、容易にタイヤが外せるようになるのです
▲8.タイヤを外す際の模様を動画。容易にタイヤが外れているのが確認できます
▲9.並行してブレーキダストで汚れたホイールをていねいに洗っていきます。作業してくださったのは、ビードリキッド開発者でもあるK氏
▲10.タイヤを外した状態のホイールのリム部分のアップ。それまで装着されていたタイヤの残りカスなどが固着しています。ビードとタイヤのあいだにゴミが付着したままだと、それぞれが密着できず、より精度の高い真円度を追求できません
ここから、極限まで真円度を追求したスペシャルセッティングへ
ビードリキッドを使うことで、ビード部への負荷は軽減できます。そのため歪みを抑えることができ、従来よりもより精度の高い真円度が追求できるようになりました。今回はここからさらに「極限まで真円度を追求したゼロバランスセッティング」を目指しておきます。
▲11.ここからは、I氏によるスペシャルセッティングの作業領域です。4輪すべてのホイールに固着したタイヤの残りカスなどをていねいに除去していきます
▲12.タイヤの残りカスなどを取り除いた状態のホイール。まるで新品のようです
▲13.ビードリキッドをスポンジに吹きかけ、新品タイヤに塗り込んでいきます
▲14.ビードリキッドを塗り込むことで、ホイールにタイヤを組み付ける際の工程がスムーズになります
▲15.ビードリキッドを塗り込んだお陰で、タイヤのビード部を痛めることなくスルリとホイールに装着することができました
▲16.タイヤのビード部分が黒光りしています。この部分がビードリキッドを塗り込んだ箇所になります。そのお陰で、スムーズにタイヤを回転させることができます
▲17.その後、タイヤに窒素を充填していきます
▲18.ビードは1.83kPaで「ポン」と音を立てた合図とともにあがります。その後3kPaまで充填。さらに適正値の2.3~2.5kPaに調整します。測定器はASAHI(旭産業)製。これも定期的にメンテナンスすることで、正確な値を測定できるのです
▲19.タイヤ組み付けの動画。窒素ガスを充填する場合、空気と比較してビードがあがりにくい分、多少時間が掛かります(注:0:55と1:15付近で大きな音が出ます)
▲20.今回は「極限まで真円度を追求したゼロバランスセッティング」にこだわったため、真円度が高い箇所を探っていきます。タイヤの黄色いマークとホイールのエア注入口がずれているのはそのためです
▲21.こうして、ビードリキッドによるスムーズかつタイヤとホイールを傷つけない脱着作業と、I氏による「極限まで真円度を追求したゼロバランスセッティング」によるタイヤ交換が完了
いわゆる「素のゴルフ」にここまでやる必要があるの?そう疑問を持たれたかもしれません。裏を返せば「素のゴルフ」でも効果が期待できれば、メルセデスAMGや、BMW アルピナ、レクサスFスポーツ系などをはじめとする「ハイパフォーマンスとラグジュアリーを両立させたクルマたち」であれば、さらに効果が期待できる可能性が充分にあります。そして、できるだけ冷静に、ドライに印象をお伝えしようと努めましたが、その激変ぶりを自ら思い知ることとなるのです・・・。
タイヤのスペシャリストに聞く、ビードリキッドの効果とは?
今回、タイヤ交換をしていただいたI氏。レース業界およびこだわりの強いオーナーが多い輸入車ディーラーなどの駆け込み寺的存在として、各方面に熱狂的なファンを持つタイヤのスペシャリスト。その一方で、一般ユーザーのタイヤ交換にも気軽に応じてくれる「街のタイヤ屋さん」的な一面も併せ持っている方。取材時も、何台ものタイヤ交換待ちのクルマがあるほどの混雑ぶり。今回は「常連さんにご迷惑を掛けたくないから・・・」と店舗情報は敢えて伏せさせていただきました。
Q:ビードリキッドを知ったきっかけを教えてください
A:使い始めて6年くらいになります。それまではアメリカとドイツ製のビードクリームを使っていました。ビードリキッドは、Sタイヤやランフラットタイヤのような、着脱が難しいタイヤを扱うときもスムーズできないかと思っていたとき、友人のK氏から勧められたんです。実際に使ってみて、水溶性で浸透性に優れており、力を入れなくてもスムーズにタイヤが脱着できることに驚きました。
Q:ビードリキッドを使うことで、作業短縮の効果はありますか?
A:ありますね。格段に作業時間が短縮できたように思います。とにかくタイヤをホイールから外す作業が楽になりました。劣化したタイヤほどその効果を実感できますね。組むときは、タイヤのビード部を痛めることなく、さらに真円度が増す効果があることも分かりました。タイヤ屋さんは腰を痛めがちですが、ビードリキッドがあればそれも解消されると思いますよ。
Q:クルマ好きだけでなく、一般ユーザーでもその効果を期待できるのでしょうか?
A:個人差はあると思いますが、タイヤの真円度が増すことによる効果は期待できると思いますよ。出足の加速感や、巡航時の安定感、コーナリングのスムーズさなど。一般のドライバーの方でも体感していただけるはずです。
Q:タイヤの真円度の重要性や生産時期の重要性を気にしている方は多いのですか?
A:レースに参加したり、走りにこだわる一部のマニアの方は認識していらっしゃると思いますが、私の感覚値では皆無といっていいです。
Q:ウェイトがたくさん付いているのはいいことではないのですか?
A:はい。ここは多くの方が誤解されているかもしれませんですが、究極は「ゼロバランス」です。一見すると、ウエイトがたくさん付けられている方が精度が出ているように思われがちです。しかし、これは間違いです。バランスに頼らず、真円の状態を創り出すことで、より真円度を高めることが理想的なんです。
Q:今回のようなIさんのスペシャルセッティングでなくても、ビードリキッドを使うことで効果を体感できるのですか?
A:今回のスペシャルセッティングは、サーキット走行でタイムアタックを突き詰めたり、レースで表彰台を狙う方が望むレベルです。ビードリキッドを使うことでタイヤを着脱するだけでビード部をねじ曲げることなく作業できますし、通常のタイヤ交換よりも真円度が高まるだけに、その効果を体感していただけるはずです。
Q:ビードリキッドはマニアックな商品なのですか?
A:いいえ。これは念を押してお伝えしたいところですが、決してマニア向けの商品ではありません。タイヤが付いた乗り物全般に対応しています。超扁平タイヤやランフラットタイヤなど、着脱が難しい場合には特にお薦めしたいですね。
Q:ビードリキッドを使うとき、コツはあるのですか?
A:コツは要りません。タイヤとホイールの接合部分にスプレーするか、スポンジに吹きかけて塗り込むだけです。どなたにも簡単にお使いいただけます。
Q:ビードリキッドを使うことによるデメリットはありますか?
A:強いていえば・・・、タイヤの真円度を究極まで突き詰めてしまうことでしょうか。ビードリキッドがあるからこそ、この精度を追求できるようになったんです。
Q:お薦めユーザーを教えていただけますか?
A:個人の方からカー用品店やタイヤショップ、ディーラー、工場など、幅広いユーザーの方にお使いいただけます。タイヤ交換で腰を痛めている同業者の方にも知っていただきたい商品です。
Q:お薦めのクルマを教えていただけますか?
A:乗り物全般にお薦めできます。なかでも、かつての私のように、タイヤ交換で苦労する車種をお持ちの方は特にお薦めですね。
●特にお薦めしたいユーザー様
・DIYでタイヤ交換するエンドユーザー様
・ガソリンスタンド様
・自動車整備工場様
・チューニングショップ様
・自動車ディーラー様
・自動車メーカー様の工場(新車整備センターなども含む)
●特にお薦めしたいクルマ
・超扁平タイヤを装着したクルマ
・ランフラットタイヤを装着したクルマ
・製造年数が古いタイヤを装着したクルマ(ホイールからタイヤを外すとき)
・バイクオーナー
・レーシングカートオーナー
・トラック全般
ビードリキッドは秘伝のタレ?交換後、理屈抜きに運転が楽しくなった
タイヤを力任せに外してホイールを痛めたり、装着時に無理矢理ねじ込めば、タイヤのビード部分が歪んでしまいます。さらには傷がつくことで、真円度が出にくくなり、空気漏れやバーストする可能性もあります。さらには作業者の体にも毎回負荷が掛かっているわけですから、特に腰へのダメージが蓄積されていきます。タイヤが歪んだ状態でホイールに組み込まれ、バランス取りで帳尻合わせをしても、そのクルマやタイヤが本来持ち合わせている性能を発揮できず、スムーズな走りが再現できません。
これまで、誰も着目しなかった部分にこだわり、タイヤ本来の性能を発揮させるために欠かせない潤滑剤、いわゆる「秘伝のタレ」がビードリキッドなのだと、I氏の作業を目の当たりにして実感しました。
●交換した直後の印象
・最初のひと転がりが軽い
・アクセルの踏み込み量が減った
・クルマがレールの上を滑っているかのように思える直進安定性
・ハガキ1枚分の面積がきちんと路面に接していることを実感できるかのような安心感
・ステアリング越しに伝わる、これまでに経験したことのない独特のしっとり感
・首都高のコーナリング時のステアリングの舵角が変わった
・直進時にホンの少しだけステアリングを左右に振ったときの雑味のなさが心地良い
・ステアリング越しにアスファルトのザラザラ感がはっきり分かるようになった
・VWゴルフがワンランク上のクルマになったかのような錯覚を覚えた
・理屈抜きに運転が楽しくなった
交換から数日後、タイヤの皮むきが終わり、頻繁に使う自宅周辺の道を走ったとき、これまでとの違いがより顕著に分かるようになりました。これも真円度にとことんこだわった効果だと思われます。
「新品タイヤ + タイヤの特性 + ビードリキッド + I氏のスペシャルセッティング」
まさに、その相乗効果がもたらす変化は驚愕レベルだったことを誇張抜きでお伝えいたします。
VWゴルフがワンランク上のクルマになったかのような錯覚を覚えたのは、タイヤ交換して10日以上経過したいまも変わらず。VWゴルフがワンランク上のクルマ・・・メルセデス・ベンツ、それもAやBクラスではなく、まるでCクラスかのような快適性を手に入れたかのようです。タイヤ1本あたり、ハガキ1枚分の面積でクルマを支えているというのはよく聞く話しです。しかし、正しくタイヤが組まれていないと、この面積が狭くなってしまいます。どれほど高性能なタイヤに履き替えても、本来の性能を発揮できる組み方でなければ、効果も半減してしまいます。
それからさらに時間が経過し、タイヤ交換後の走行距離も500キロを超えました。少しずつタイヤが馴染んできたのでしょうか。タイヤ交換直後に感じた「ステアリング越しに伝わる、これまでに経験したことのない独特のしっとり感」がいまだに健在であること。この「独特のしっとり感」を言葉で表現するのはとても難しいのですが、ステアリング越しに伝わってくる手応えや感触が、非常に清涼感があり心地良いのです。タイヤ交換をしたことを伏せたままクルマ好きの友人・知人を助手席に乗せると、すぐにこの感触に気づく人も多く、実際に運転してもらうと「これまでに味わったことがない」感触に戸惑いつつも、感動を覚えているようです。
I氏のスペシャルセッティングは、鰻重に例えるなら熟練の大将が丹精込めて作る特上物です。そこまで究極を求めなくても、秘伝のタレ(ビードリキッド)さえあれば、通常の作業でもI氏のスペシャルセッティングに一歩近づいた精度(鰻重)を求めることが可能なのです!今回、正しく組まれたタイヤには、ビードリキッドが必須アイテムだということを実感した取材となりました。
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[ライター・カメラ/江上透]