アイキャッチ画像
ドイツ現地レポ

更新2022.02.10

300km/hオーバーは日常の風景!? アウトバーンでもっとも悪名高きドライバーのクルマとは

ライター画像

守屋 健

ブガッティ・シロンがアウトバーンで最高速度417km/hを出したニュースがにわかに話題となっています。


ドイツのみならず日本でも数多く報道されているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。この速度は速度無制限区間で記録されたものではありますが、ドイツ国内では連日、この行為が違法かどうかの議論が続けられています。


無料で、かつ速度無制限区間が存在するドイツの高速道路、アウトバーン。日本の高速道路とは大きく異なるので「実際はどのように走っているのか」というイメージがつかみにくい道路かもしれません。



今回のドイツ現地レポは、アウトバーンでは実際にはどのくらいの速度で走っているのか、300km/hでカッ飛んでいくクルマはいるのか、各メーカーのドライバーの傾向はあるのか、などを紹介していきたいと思います。


■実際には少ない「速度無制限区間」



アウトバーンでの全開走行……憧れている方は少なくないと思いますが、現実はなかなか厳しいかもしれません。なぜなら、アウトバーンの代名詞ともいえる速度無制限区間は、距離でみるとそれほど多くないからです。


都市周辺部のアウトバーンは制限速度130km/hであることが多く、都市内部を走る路線では100km/h制限や、さらに遅い60~80km/h制限である場合も珍しくありません。


都市周辺を抜けて速度無制限区間に突入しても、次の障害がドライバーを阻みます。昼夜問わず行われている大規模な道路工事です。工事現場のそばを通過する区間は60km/h制限が行われている場合が多く、やる気になっていたドライバーたちの出鼻をくじくことになります。


また、ドイツは速度超過と車間距離についての取り締まり基準が非常に厳しいです。


制限速度を4km/h超過すれば写真撮影の対象となるので、例えば制限速度が130km/hから80km/hに変わる地点では、ほとんどのクルマがガツンとブレーキをかけて、急激に速度を落とします。


車間距離については「先行車との間隔を2秒以上取る」ことが求められ、少しでも詰めるとすぐに警察に取り締まられますから、車間を詰めて走るクルマの割合は日本よりも少ないですね。


外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

■追突事故がとにかく多い



「でも速度無制限区間で、工事もしていなかったら、かなりのスピードを出すのでは?」という疑問を持たれた方、正解です。速度無制限区間では、一番遅い走行車線でそのまま130~150km/hで巡航するドライバーも少なくないものの、200km/h前後で走行するクルマは珍しくありません。なかには、300km/h以上出ているのでは?というクルマもときどき目にします。


特に気を付けなければならないのは、追い越し車線に出るときです。バックミラーに非常に小さくクルマが映っていたとしても、相手のクルマが300km/hで走行していた場合、こちらが車線変更を終える時にはすぐ後ろに迫るどころか、追突事故の恐れさえあります。


残念なことに、このような経緯で起こる追突事故は絶えず、頻繁に新聞やニュースサイトで取り上げられ、「速度無制限区間をなくそう」という声を大きくする要因となっています。


こうした点を踏まえて、実際にアウトバーンを走る際に気を付けなければならない点をまとめると「制限速度が頻繁に変わるので、速度標識を常に確認」「先行車との間隔は2秒以上」「制限速度が低くなる場合、先行車が急ブレーキを踏む可能性あり」「追い越し車線に出る際は、後ろから接近してくるクルマに細心の注意を払う」といったところでしょうか。


そう、アウトバーンでの運転はルールと注意点に縛られて、かなり「忙しい」のです。


■もっともマナーが悪いのはBMWのドライバー?



各メーカーのドライバーのアウトバーンでの振る舞いについて、厳密な意味では「こうだ!」と断定することはできません。しかし、ADAC(ドイツ自動車連盟)の調査によれば、ある程度の傾向を見出すことができる、としています。


もっとも悪名高いのは、BMWのドライバーです。調査対象者の51パーセントが、BMWのドライバーが「最大の脅威」「マナーが悪く、もっとも車間距離を詰めてくる」と答えています。個人的にもこれについては同意できますね。


次点は32パーセントでメルセデス・ベンツ、3位は26パーセントでアウディとなっています。この3ブランドのスポーツモデル、つまりBMW Mシリーズ、AMG、アウディのSシリーズ・RSシリーズのドライバーは、3車線をまたいでいくような、特にやんちゃな運転が目立ちます。


アウトバーンであまり無理をせず走行しているのは、ドイツのブランドであればフォルクスワーゲン、オペル、スマートなどです。ルノー、プジョー、シトロエンのフランス勢やボルボも、アウトバーンではあまり出しゃばりません。別格扱いなのは、ポルシェ、ジャガー、アストンマーティン、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、マクラーレンといった高級スポーツカーブランドです。


走行マナーについてはドライバーそれぞれ、という印象なのですが、こうしたブランドを運転するドライバーが事故を起こした場合、車種名とともに報道されることが多く、良くも悪くも人々の注目を集める存在となっていると感じます。


外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

■日本車のドライバーは車間距離を守る?



ここまで、アウトバーンについてのあれこれを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。


最後にもうひとつ、面白いデータを紹介しましょう。先述のADACがA8というアウトバーンの路線で車間距離の調査を行った際、5人に1人のドライバーが最低車間距離を守っていませんでした。


ところがデータを整理していくと、93パーセントが車間距離を守っているグループがあったのです。それは、日本車を運転するドライバーたちでした。


日本車は価格が安く、信頼性があり、装備が充実している、ということはドイツでもよく知られているところですが、その真面目さがこうした「ドライバーのマナー」まで影響を与えていたとは、非常に興味深い点だと思いませんか。


アウトバーンの速度無制限区間の廃止は、環境問題や安全性の面から議論が続いていますし、有料化の話も消えたわけではありません。今後もアウトバーンの最新情報をお伝えできたらと考えています。それでは、また次回のドイツ現地レポでお会いしましょう!


[ライター/守屋健]


 

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています
輸入車に特化して20年以上のノウハウがあり、輸入車の年間査定申込数20,000件以上と実績も豊富で、多くの輸入車オーナーに選ばれています!最短当日、無料で専門スタッフが出張査定にお伺いします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。