
ドライブ
更新2023.11.22
軽井沢の「アンシエントホテル浅間軽井沢」はクルマを愛するホテル
中込 健太郎

関越自動車道をクラシックカーで

久しぶりにエンジンをかけますので「かかるかしら…」と恐るおそるかけてみたところ、何事もなかったように一発始動。むしろ、勢い良くガスが送り続けられた直後にかける場合などよりかかりがよいのでは、と感じるほど。遠くまっすぐな関越自動車道をこのクルマで走ったことが今までありませんでしたが、なんとも心地よいドライブでありました。
燃費も良好。結局15リッターほどを残して軽井沢往復はこなしましたので7.5キロ〜8キロくらいは走ったのではないでしょうか。まあ、褒められた数字ではないですが、30年前のV6ツインターボのクルマです。街中で乗るよりはこういうところで乗るのがふさわしいクルマのようですね。低いところで心地いいビートを奏でながら、あっという間に藤岡。そしてあっという間に軽井沢でした。
アンシエントホテル軽井沢にて

軽井沢のずっと奥の方。白糸ハイランドウェイを入るとすぐ、すなわち鬼押出の方からですと終点に近いところにあるのですが、静かな山小屋のような佇まいです。まだきれいな建物はどこか和洋折衷な雰囲気も残しつつ、静かに軽井沢の時間に身を委ねることができるような雰囲気に満たされたお宿です。そこに新旧さまざまなクルマで仲間が大集合。一緒にご飯を食べて、お酒を飲み、星を見たりして思い思いの時間を過ごしました。そしてせっかくですからと例の1930年式のC6を拝見させていただくことに。今時のシトロエンとは当然だいぶ印象が違います。
しかし、かなり大きく見えるボディは実はそんなに大きくもなく。しかし堂々としたものです。ラジエーターの上のキャップの部分のマスコットはフランスでは、日本の鳩ではないですが、皆から珍重される動物なのだそうですが、凛々しい鶏が立っています。なんでも調べてみると、創業者アンドレ・シトロエンの一族、息子さんか誰かが乗っていたといういわくのある個体なのだとか。ただ資料が乏しく確証はないとのことでしたが。

とにかくノーブルなその佇まいは今でもけっして褪せない堂々たるものです。この納まっているガレージというのもこのクルマのために特別にあつらえられたものだそうです。中は板敷きになっていて、暖炉も据え付けてあります。そしてここにシャレたカッバード(食器棚の小さいもの)とオーディオも完備。火を見ながら座っているとまるで我が家にいるかのようなくつろぎを覚えるのです。今回いらしていた方のお一人が、愛蔵のポータブル蓄音機と、このクルマに合わせた年代の曲の78回転版のレコードを持ってこられて皆で夜、明かりを消して、クルマの横で当時の名曲に耳を傾ける訳です。まるで当時にタイムスリップしたかのよう。


遠くの星たち
軽井沢、ちょっと五月蝿いくらい星が出ます。ホテルには星に詳しいスタッフの方がいて説明してくださいました。その中で「あの星の光は230万光年の彼方から届いているのです」星に惹かれる人の気持ちも少しわかったような気がします。しかし、クラシックカーの横で、当時さながらの音楽を聴いているその時間には、何万年もかけて地球に届いている星の光にも増して、リアリティと、理由はわからない懐かしさを帯びたロマンがあるのです。

▲フロントマスコットの鶏はオリジナルではない特注品

暖かいホットワインで温まりながら過ごす冬の軽井沢。とても素敵な場所を発見しました。何もしない贅沢がここにある。この週末は実に贅沢な時間を過ごせたなと思いました
客人にあれやこれやと盛りだくさんにすることが、はたしていいサービスかと言われると疑問です。自然に行き届いているが、過ぎないのいいのです。そんなお宿でした。マジでまた個人的に行きたい。そう思いました。

アンシエントホテル浅間軽井沢についてはこちらから
http://www.ancient-hotel.com/
[ライター・画像/中込健太郎]
※当記事は過去公開した記事の再編集版です