更新2021.10.25
「13年超車の重課税反対」の声は政治家とその候補者に届くのか?
ryoshr
目下、衆議院の解散総選挙期間中だ。
各候補者はもとより、各政党がさまざまな政策や公約を発表している。
しかし、残念ながら自動車に関する税金を下げることを公約に掲げている政党は一党のみだ(筆者調べ)。
「税の問題」という点においては国民に広く関係があると思うが、消費税に比べて自動車税・重量税だけではなく、ガソリン税も「普通の人」には縁遠い印象を受ける。
これらの要因を選挙の公約に入れても票につながらない、ということなのだろうか・・・。
■ネット上での自動車に関わる減税イベントに呼ばれた
筆者はかねてより「13年超車の重課税反対」というfacebookグループの管理人をしてきた。
https://www.facebook.com/groups/1444683832519843
管理人はしているものの、グループのリーダーとしてリードする考えはなく、いちメンバーとしての活動をしているつもりだ。ときどきで当メディアで13年超車の重課税に関する税制の不条理について記事にしてきたことも、この事実を広く世間に知ってもらうためにメンバーとしての活動の一貫、というスタンスだ。
このような筆者個人の考えはさておき、グループのメンバーや一般の人からみれば「13年超車の重課税反対」の活動に関するリーダーをしていると映るようだ。
先日、自動車に税金全般に関する軽減を訴える団体の代表の方からお声掛けいただき、インターネット上でパネルディスカッションでお話する機会を頂戴した。
このイベントで筆者は「ゲストパネリスト」という位置づけで参加させていただいた。パネリストとしてとある政党の立候補予定者(当時)が2名参加するというものだった。公示のタイミングでお二人とも立候補をされているので、政党名や個人名に関する記載は控えさせていただくことをご容赦願いたい。
■今回のイベントで訴えたこと
筆者の本業は、自社の人たちやお客様へシステム関連の説明や提案をすることである。
そのため、プレゼンテーション用の資料を作り、その説明をするということに抵抗はない。
最近ではリモートで行うことも増えてきたので、今回のイベントのために資料を作成し説明した。
この資料はfacebookグループ上でpdfファイルとして公開してあるので、どなたでもご覧いただけるようになっている。
https://www.facebook.com/groups/1444683832519843/posts/3045017369153140/
資料の中では「環境負荷の低いクルマへ買い替えを促進するために新しいクルマを減税します」と明言されているにもかかわらず、その理由を伏せて「環境負荷の高いと思われる古い(車齢13年以上)のクルマは重課税します」としている現在の税制の矛盾について説明している。
まず「環境負荷」に関しては走行時の燃費がいいことだけを捉えるのはなく、古い(車齢13年以上)のクルマの製造および廃棄時の環境負荷に関するマクロな視点が完全に欠落していることを説明している。「車齢による課税」においては「税の公平性」の観点から、この税制が不公平であることを説いている。
上記のテーマはFacebookグループ「13年超車の重課税反対」内で何度となく投稿してきた内容である。その結果、グループのメンバーであればある程度は理解されている(はずだ)。
今回のパネルディスカッションで同様の説明をした立場としては、候補者の方々や視聴者でもある程度理解が進んでいるものと想像していたが、その考えはどうやら甘かったと痛感することとなった。
■立候補予定者の反応
一人目のパネリストの方、仮にAさんとする。Aさんは13年超車の重課税についてほぼ知識がなかったようで「不勉強ですみません」を連発していた。政治家を志す方は数多くの課題を吸い上げる必要があると思われるが、立候補の準備中だった当時のAさんにこの問題は課題案件は含まれていなかったようだ。
Aさんは「自動車に関わる税金を全般的に下げるコミュニティーの会員です」とWebサイトに掲げているのだが、中身に関しては深く理解しているとは思えなかった。よって、当選後のAさんの活動において「13年超車の重課税」に関する事案がどれくらいの割合になるかはちょっとわからない印象を受けた。
もう一人のパネリストの方を仮にBさんとする。自動車に関わる税金については、ガソリンに関する二重課税に関しては肌感として違和感はあるようだ。これについては是正すべきという考えを冒頭でも述べられていた。
ガソリンスタンドで給油するとき、まず「ガソリン税」が掛かる。さらにガソリン代とガソリン税を合算した金額にさらに消費税がかかるという二重課税の問題であり、これはこれで矛盾がある。
さらにBさんは、道路特定財源だったガソリン税は一般財源化され、道路の保全など以外のことにも使える税金となってしまっていることにも課題感があるようだった。
ところがBさんは、筆者の説明を受けたあとのコメントとして「代替促進のようなメーカーに忖度した税制をひっくり返すのは大変むずかしい」と話したことは大変残念なことだった。
百歩譲ってBさんが与党の候補者となる予定の人であるなら、そのような言い分をしても「しかたがない」のかもしれない。
なぜなら、与党候補をして票を取るためにはメーカーの存在を無視できない可能性があるからだ。しかし、Bさんは当時野党の公認候補となる予定の人であり、実際今回の選挙でも野党候補をして立候補している。・・・にも拘らず「難しい」というコメントはなんとも期待はずれなものだった。
■果たして政治や政治家に期待できるのか?
「13年超車の重課税を是正する」という、ピンポイントな課題を第一のテーマとして掲げ、実際に当選する候補者が少ないであろうことは政治に詳しくない筆者であっても理解ができる。
なかにはNHKの受信料に関わる問題を争点としている政党もあるようだが、結局それ以外の争点に関する主張がボヤケてしまうため、なかなか苦戦していることも想像がつく。
よって、13年超車の重課税反対を前面に出す候補者がいないこともしかたがのないことと半ばあきらめているところもある。
しかし、この課題を前面に出さないものの、イベントでのパネリストの反応から予想できることは、この不条理な税制を国民の課題として認識している候補者が少ないということだ。
前述のFacebookグループ内で繰り返される投稿では「あの古いクルマを持っている政治家に働きかけよう」「あの古いクルマを持っている芸能人に働きかけよう」というものがある。
しかし、我々が考えているほど、その政治家もその芸能人も重課税についての課題感は希薄なのではないかと思いはじめている。
なんだか閉塞感すら出てきてしまっているが「蟻の一穴」という言葉もある。
若干ニュアンスが違うかもしれないが、地道な活動によって不条理な税制への理解が進み、大きな動きとなることを目指して活動し続けようと考えている。
今回の選挙での投票において、地元の候補者がこの問題についてどう考えているのかを聞いてみてもいいかもしれない。
もし、この不条理な税制を知らない候補者がいたら、街頭演説の際などに伝えてみるのも一計かもしれない。
[画像/Adobe Stock ライター/ryoshr]