
中古車の豆知識
更新2019.07.12
おしゃれは足元から!外車、輸入車お悩み上位、ブレーキダスト汚れ。どうすれば良いのか
外車王SOKEN編集部
なぜ外車はブレーキダストが多いく汚れやすいのか

そもそも外車はなぜブレーキダストが多いのかと疑問を抱くオーナーも少なくないでしょう。外車つまり日本でも多く見かけることがあるドイツ車をはじめとした輸入車は「止まる」という性能を重視していることがブレーキダストが多く出てしまう理由です。世界の中でも知名度が高く信頼性の高い自動車大国であるドイツの車が特にブレーキダストがひどいと言われています。それもそのはず、ドイツにはアウトバーンと呼ばれる一部区間において速度無制限区間が存在し時速200km/hオーバーで走ることもあります。そのような高い速度域の場所で万が一のことがあったときにしっかり速度を落とすことができて止まることができるということが非常に重要になってくるからです。そのため、ブレーキのディスクローターやブレーキパッド自体の素材が国産車のブレーキとは異なっているのです。
ブレーキダスト問題を材質から考えてみましょう
では、具体的にブレーキダストが出にくい国産車とドイツ車のブレーキの違いを探っていきましょう。国産車はブレーキの耐久性を重視した設計になっていることが多く摩耗性に優れた素材を使用しています。NAO(Non Asbestos Organic)材と呼ばれる素材が使われています。NAO材はアスベストやスチール繊維を含まないことからブレーキダストが少なく、ブレーキ鳴きも少ないのが特徴です。ブレーキの性能に関しても必要にして十分な性能を確保しており国産車のブレーキに多く使用されています。一方、高い速度域で使用されるドイツ車をはじめとしたヨーロッパ車のブレーキはロースチール材が使われています。NAO材と比較するとスチール繊維(鉄)の含有量が多くブレーキ性能向上と引き換えにブレーキパッドやローターが摩耗するのです。
ブレーキパッドやローターが摩耗するということは削れているということになりブレーキダストが発生するということになるのです。そもそもブレーキの材質、特にスチール繊維の含有量の違いがブレーキ性能の違いを生み出しブレーキダスト発生量に関係していることが言えます。最近の高性能スポーツカーなどに使われるカーボンセラミックブレーキはどうなのでしょうか。文字通りカーボンセラミックブレーキはカーボンとセラミックを主材料としています。最大の特徴は軽量かつ高温域まで耐えうる耐久性と耐熱性の高さが特徴です。しかし、値段が高く1台分のローター代で車が買えてしまうほど高価なローターも存在します。ブレーキダストの面では国産車に多く使われるNAO材並みにブレーキダストが発生しにくいブレーキです。
ブレーキダスト汚れ対策方法
ブレーキダスト汚れの対策方法は大きく分けて下記の3つです。
・こまめに洗う
・ホイールコーティング
・低ダストブレーキパッドおよびローターに交換
1つめは「こまめに洗う」です。原始的な方法ですが実はこれが最も有効な方法といえるでしょう。その理由として、ブレーキダストの主成分はスチール繊維=鉄であるため放っておくと茶色く錆びたようになります。また、ブレーキダストは鉄粉ではありますが高速で回るブレーキから放出されるブレーキダストはホイールに付着するというよりも刺さるような勢いでこびりつきます。よって長時間放置しておくとこびりついたダストが取れにくくなってしまいます。長距離ドライブをして帰ってきたときにウエスやウェットティッシュなどで拭き取っておくだけでもホイールの輝きが長期にわたり維持されます。
2つめは「ホイールコーティング」です。近年では一般化してきた車のコーティング。ガラス系コーティングなど種類も多くなってきました。コーティングというと車のボディやガラスエリアのコーティングをイメージされる方も多いかと思いますが、実はホイールのコーティングも存在しています。ただし、勘違いしやすいのがコーティングは汚れをつきにくくするのではなくホイール自体の保護をしておくことが目的であるためブレーキダスト低減には直接結びつきません。よって、定期的にホイールを洗浄する必要があるため1つめの「こまめに洗う」方法と大きく変わりがありません。
3つめが「低ダストブレーキパッドおよびローターに交換」する方法です。ブレーキダスト自体を低減させるために効果的な方法がブレーキ自体を交換してしまうことが最も有効です。ブレーキを交換することで心配になるのが本来の性能を下回るのではないかといった心配が出てくるかもしれません。交換するブレーキの種類によってブレーキの性能が変わるため、自身が乗っている車の性能やスペックを知ったうえで最適なブレーキを選ぶことが重要です。
外車とブレーキダストの関係
外車を乗っているときに悩むブレーキダスト問題。外車の高い性能を支えている証拠であるブレーキダストは切り離すことができない問題です。本来のポテンシャルを維持するためにもブレーキダストとはうまく付き合っていくことが必要なのではないでしょうか。正直に言ってしまえばメンテナンスフリーというわけにはいきません、ただし、メンテンナンスを容易にする方法はいくつもあります。前章でも述べたように原始的ではありますがこまめに洗浄しコーティングを施しておくことがきれいなホイールをキープするためには必要なことなようです。おしゃれには手間と時間がかかるように車の足元のおしゃれも手間と時間をかけておしゃれな状態を維持していきましょう。
[ライター/外車王編集部 画像/フォトAC]