
更新2021.05.07
中古のBMW 3.0Sから紐解く7シリーズの元祖。大型高級サルーンがなぜ伝説に近いイメージを作れたのか
外車王SOKEN編集部
7シリーズの元祖、大型高級サルーンBMW 3.0Sの魅力とは?
ビーエムダブリュー。アメリカではババリアモーターワーク、関西地方ではなぜか関西なまりドイツ語でベンベと呼ばれたりしていますが。今回ご紹介させていただくのはそのBMWの1975年式3.0Sです。
▲実に機能的かつオーソドックスにまとめられたVDO製メーター
1960年代の初め頃、BMWは経営がしんどい時期がありまして、その頃は生産を1500ccから2000ccまでの比較的小さな4気筒エンジンを積んだモデルに絞っていました。そしてそれらが品質と性能で評価されて、経営基盤がしっかりしてきたところで、1968年の秋に再び6気筒エンジンを積んだ大型セダンをデビューさせました。
V6でもV8でもない!ストレートシックスの洗練されたエンジン
▲非常にシンプルなインパネ周り。三洋のカセットデッキが時代の空気を醸す
ストレートシックス、つまり直列6気筒エンジンは、各シリンダー同士が振動を打ち消し合ううえで理想的な構造であると言われています。また、クランク軸が120度回転するごとに等間隔で起こる爆発が、非常に澄んだ排気音を奏でるとも言われています。「湾岸ミッドナイト」に出てくる「悪魔のZ」も直列6気筒ですが、6気筒の音がつながる感じは4気筒では出ない、なんて台詞があったように思います(ごめんなさいちょっとうろ覚えです)。
とにかくV6ではない、V8のでろでろした感じでもないストレートシックスの洗練されたスムーズさは、なかなかかけがえのない美点なんですね。
ただ、エンジンの全長が長くなってしまうこと、そのせいでフロントに積むとクラッシャブルゾーンがとりにくくなるなど積み方に制約があること、クランク軸が長くなってより高い精度と強度を要求されること、そういった弱点もあります。
また、燃費や低排出ガス性能を上げるためにダウンサイジングターボが流行ったこともあって、ここしばらくは絶滅寸前でした。しかし、世界的に燃費の計測方法が変わったことが一つの節目になって、ごく最近はメルセデスベンツやマツダでストレートシックス復活の動きもあります。このあたり少し楽しみです。
▲これもまた非常にオーセンティックな、まさにBMWそのものの丸目四灯
話を戻しますが、1968年にデビューしたBMWのE3系は、2494ccと2788ccのストレートシックスを積んでいました。このエンジンは150馬力/170馬力という出力もさることながら、とにかくスムーズなふけ上がりと驚異的な静粛性を誇っていて、「シルキー・シックス」と呼ばれました。まるで絹の手触りのような上質なフィールで回るエンジン。元々エンジンに強みを持っていたBMWの面目躍如です。そしてアウトバーンでメルセデス・ベンツなどに対抗する意味もあって、1971年に登場したのが2985ccで180馬力の3.0Sだったのです。
全長4700mm、全幅1750mm、重さ1.4トン弱の車体は今でこそそう大きなクルマではありませんが、当時としては堂々たる大型セダンでした。また、ラグジュアリーなメルセデス・ベンツに対して引けをとらない高級車でありながら、よりスポーティーなイメージもあり、人気を誇ったのです。
BMWの高級車としての基礎を作ったといっても過言ではない?
▲オーバーハングしたリアのラインとメッキバンパーが実にエレガント
いま言われるBMWのイメージ。スポーティーで上質な高級サルーンであるとか、パワフルかつ静謐に回るエンジンであるとか、そういう伝説に近いものを作り上げたのは、このE3系だったのかもしれません。その後1977年にはBMW・7シリーズに発展し、メルセデス・ベンツのSクラスに対抗するLセグメントとして今に至っているのです。
いわばBMWの高級車としての基礎を作ったE3系。中でもパワフルな3.0Sは、ドイツ車の歴史と伝統を今に伝えるレジェンドといっても過言ではないでしょう。ドライバーズシートに収まると、もはや伝説になりつつあるシルキー・シックスを秘めた、その長く堂々としたボンネットの向こうから、アウトバーンの風が吹いてくるかもしれません。
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