
更新2021.05.07
とにかく小さい、そして楽しい!ルパン三世も絶賛の(?)'70年式フィアット500L
外車王SOKEN編集部
呼び名はチンクェチェント。スクーター代わりのクルマ、フィアット500の魅力とは?
フィアット500、チンクェチェントというと、一般的にはこの今回ご紹介するモデルを思われる方が多いと思いますが、実はこれは二代目です。初代のフィアット500は1936年から1955年にかけて製造された二人乗りの超小型車でした。水冷エンジンのFR、名前が同じというだけで中身はまったく共通する部分のない,全然別のモデルです。
▲まるで昔の映画の看板みたいな書体のメーター。ベリアはやっぱりお洒落
さてこの二代目フィアット500、1957年に発売された当時は初代と区別するために「NUOVA 500」と呼ばれていました。駆動方式はRR、空冷二気筒OHV479cc、15PSのエンジンを搭載して、3メートルに満たないボディで4人乗りを実現していました。
1950年代のイタリアでは、映画「ローマの休日」で描かれたように、ベスパを始めとするスクーターが大人気でした。たとえばそのベスパを作ったピアジオ社は、もともと戦時中には飛行機のメーカーでしたが、戦後は飛行機を作ることができなくなりました。それでその航空機用タイヤとスターターエンジン(大きなメインエンジンを起動するためのセルモーターの役目をするエンジン)を組み合わせて、スクーターを造って売っていたのです。また、それと似た事情でスクーターを造っていたメーカーがたくさんあったと言われています。
フィアット500の商品としてのターゲットは、まさにそのスクーターに乗っていた人たちでした。スクーターからの乗り換えの需要を狙って、とにかく安く、しかも「4人乗り」という圧倒的な優位性を持った乗り物として開発されたのです。
さらに、デビュー当初は購入者を対象にスクーターを高価下取り、なんていうものすごい販促をしていたとも言われています。クルマでありながら、ライバルはスクーターだったのですね。
余談ですが、筆者は日常の足としてハンドシフトのベスパを持っています。また周囲にも、ベスパの好きな人たちが大勢居ます。そして彼らは大体このフィアット500が好きです。このクルマが生まれてきた背景や、デザインがまとっている時代の空気、機械として精神的な部分で似ているところ、そういった半ば因縁に近いようなものが感性に語りかけてくるからなのでしょうか。
フィアット500の丸っこいフォルムは、鋼板に補強などを入れないで強度を確保するため、また極力表面積を少なくして鉄板を節約するためとされていますが、あるいはそのデザインにはベスパに対するリスペクトも幾分か含まれていたのかも知れませんね。
▲とにかくシンプルなエンジン。ここのフードを少し開けて走っているのをよく見ますね
さて、フィアット500というとやっぱりルパン三世ですよね。中でも「カリオストロの城」は、カジノから盗み出した紙幣の山をこの小さなクルマに満載して逃げるシーンから始まります。また、レバーを引くとエンジンが「ぼんっ」とせり出して、いきなり超ハイパワーを発揮する、という場面もあります。あのエンジン、普段はボディに沈胴していたのでしょうかね。となるとエンジンの前部は車内に飛び出しているはずですが、後部座席の五右衛門は背中にごりごりと当たる、硬くてハードに震動する、しかもかなり熱いエンジンに顔色ひとつ変えず耐えていた、ということになりますね。侍、恐るべし。
▲標準仕様のキャンバストップは,実は必然のデザインだった
フィアット500は前述の通り、空冷2気筒エンジンです。実はこのエンジン、軽量コンパクトなのはよかったのですが、騒音と振動が結構大きかったのです。それで、もしも車体全体を鋼製のモノコックにすると、音が車内にこもってやかましいです。なので、屋根を開放してキャンバストップの仕様が標準になっています。騒音を逃がして居住性を良くするための機構として、キャンバストップが必要だったのですね。つくづくすごい設計です。イタリア人、侮れませんね。
フィアット500は1965年にマイナーチェンジをします。これまで前開きだったドアを標準的な後ろ開きドアにする、テールランプの大型化、クラッチをコイルスプリング式からダイアフラムスプリング式に変更する、などです。このモデルチェンジを境に、前期型と後期型に分けられます。また、エンジンは499cc、17.5PSになりました。
今回ご紹介するフィアット500Lは、1968年にデラックスバージョンとして発売されたモデルで、後期型です。1972年まで製造されました。
▲イタリア車の足元はやっぱりピレリ。鉄ホイールにレトロなキャップがお洒落
最後に
イタリアの国民車として親しまれ、愛され続けたフィアット500。最近ではこのクルマに合わせて、あの厳しいヨーロッパの環境基準を一部緩和しようかという「フィアット500保護法」みたいなのを作ろうという動きまであると聞きます。現行の、あの形は可愛いながらも1トンを超える三代目フィアット500に比べると、とにかくプリミティブで、自動車としての楽しさに満ちあふれた二代目、NUOVA500/フィアット500L。物理的な速さとはまた違った、感性に訴えかけるスポーティーさ、ドライビングプレジャーを感じてみませんか?
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