
更新2021.05.07
マセラティ・シャマル。ビトゥルボベースの、禁断のスーパースポーツカーの魅力
外車王SOKEN編集部
マセラティ・シャマルとは
V8、3.2リッター、ツインターボ、そして、イタリア車。単語を並べただけで、もうこれは絶対にあかん奴やん、っていう空気感バリバリのクルマがあります。メーカー名「マセラティ」。あかん度合いドン!さらに倍!裏ドラも乗ってさらに倍!ぐはあっ!もう無理!今回はそんな強烈なクルマを紹介します。
マセラティ・シャマル。1990年にデビューして、ラストの1996年までに369台しか生産されなかった、孤高のスーパースポーツカーです。
▲シンプルな中にも色気の漂うメーター。マセラティのエンブレム「トライデント」が配される
マセラティというと、スーパーカーブームの頃にはマセラティ・メラクやマセラティ・ボーラといったミッドシップでリトラクタブルライトの「正しいスーパーカー」が筆者などには印象深いのですが、同じ頃にスーパーカーカードとかムック本なんかにたまに出て来たクルマに、マセラティ・カムシンというのが居ました。
これもなかなかウエッジシェイプでリトラクタブルライトのナイスなルックスでしたが、メラクやボーラと比べるとちょっと地味な扱いでした。しかしこのクルマ、V8、4.9リッター、320PS、FR、最高速275km/hという侮れないスペックを持ってました。さらにデザインはあのカウンタックと同じマルチェロ・ガンディーニです。
またリヤパネルの一部がガラス製だったり、未来感とワイルドさがマッチしてます。実は未来的なのは外見だけでなく、ブレーキやクラッチ、リトラクタブルヘッドライト、パワーステアリングのみならずシートやヘッドレストのリクライニングまで油圧で作動させるという、中身も未来感バリバリのぶっ飛んだクルマだったようです。
なおこの油圧システム、エンジンのパワーを結構食う上に故障が多発したと言われています。当時のイタリア車で、敢えて故障が多発という評判が伝わっているということは、これはかなり本当に信頼性が低かったのでしょう。カムシンとは砂漠地帯に吹く熱い砂嵐のこと。その名前の通り、熱く激しく情熱的て魅力的な酷い奴だったのでしょうね……。
マセラティ・シャマルの魅力
▲レザーシートにウッドのシフトノブ。マニュアルミッションは大人の嗜み
そんなマセラティの系譜を辿ると、カムシンの次のモデルに当たるのが、今回のこのマセラティ・シャマルです。長い前置きで申し訳ないです。 マセラティ・シャマルは、マセラティ初の量産乗用車ビトゥルボをベースにしています。ビトゥルボとは英語読みするとバイ・ターボ、つまりツインターボのことですね。ビトゥルボ以前のマセラティはほぼスーパーカー専門のメーカーでしたから、カムシンの形もウエッジ・シェイプでしたが、一旦この乗用車ビトゥルボを経由してますので、シャマルは一応乗用車風の形をしています。
▲ダッシュボード中央に、トライデントの入ったアナログ時計。美しい。
ただし、前後共にがちょーんと張り出したブリスター・フェンダー、やる気満々な感じのスポイラー、当時はまだ珍しかった(と思います)プロジェクターヘッドランプなど、ただものではないオーラを全身にまとっていました。なんていうか、やたらにかっこいいのです。四角いクーペのかっこいいデザインというのはこういうことだ。そんな言葉が聞こえてきそうなくらいです。そう、このクルマもデザイナーはマルチェロ・ガンディーニなんですね。
1430kgの車体に326psのエンジン、最高速は270km/hと言われています。日本での新車販売価格は1385万円でした。
▲エンブレムの入った美しい16インチアルミホイール。
黒で統一されたインテリア、本革シート、ダッシュボード中央にアナログの時計。絵に描いたようにラグジュアリーで、べらぼうにスポーティーで、そして男女問わず惹き寄せるフェロモンを湛えたセクスィーなクルマです。
最後に
30年近く前に作られたイタリア車、それもマセラティです。その辺りを理解して、大きな心で接することができる大人でないとなかなかつきあえないかも知れません。しかし、V8ツインターボを6速マニュアルで操る快感。これはまさに唯一無二の、かけがえのないクルマと言えるのではないでしょうか。
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