
更新2021.05.07
生まれながらのオープンボディ。ポルシェ ボクスター986
外車王SOKEN編集部
ポルシェのエントリーモデルと言われがち、しかしその実態は硬派なスポーツカー
「紅一点」という言葉は「万緑の中の紅一点」という意味だといいます。緑と赤。ちょっとイタリアンな取り合わせみたいな気もしますが、色の対比として絵になりますね。緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ。完璧ですね。かつて紅白歌合戦で「NHKでは固有の会社名はNGで…」ってことで「真っ赤なクルマ♪」などと山口百恵さんが歌ってらっしゃったのも記憶に新しいですが(古いわ)。
日本ではとにかく「クルマは白!」という人が多いのですが、やはり筆者個人には「ポルシェは赤」という思い入れがあります。あの歌のポルシェは白や黒やこげ茶色ではなくて赤でなくてはダメだし、また車種もトヨタやいすゞは言うに及ばずランボルギーニでもダメなのです。幼い頃の刷り込みっておそろしいです。
初代ボクスター986の魅力とは?
▲「目ん玉つながり」などと言われたりするウインカー一体型のヘッドライト
さて、そんなポルシェからロードスターモデルのボクスターが発売されたのは1996年でした。2480cc、ミッドシップ、911によく似たデザイン。そして、なんと言っても600万円台から買える価格。この頃の東京モーターショーのポルシェブースで「ポルシェへのエントリー…」なんて紹介されていて、同行していた友人と「メーカーからあからさまにそう言われるとちょっとなぁ」なんて話していたのを思い出します。
▲250km/hまでのメーター。メーカー公表の最高時速240km/hなので、メーター上は振り切ってしまう可能性大
しかしボクスターはミッドシップ、206PSで1250kgの軽量ボディ。多くの部品を996型の911と共用し、ボディのねじれ剛性は993型911カブリオレの1.5倍強、というなかなかに素晴らしい内容でした。また911の弟分でありながらサイズがコンパクトなわけではなく、実は横幅は996型911より10mm大きいです。エンジン形式もきちんとフラットシックスで、ドライサンプで低重心、実に正しくポルシェでした。
そして何より意外なのは、2005年のテュフのテストレポートで故障率2.6%、日本車勢を抑えて「最も故障が少ない自動車」と評価されています。この辺り、911の名車という伝統の束縛というか、進化しつつもあまりガラリと変えてしまうとファンに「あんなのは911では……」と拒否されてしまうかもしれない、そんなしがらみを引きずっていないボクスターだからこその、まったくの新しい設計でやれたという強みなのかもしれません。
ソフトトップは電動式で、12秒で開閉できます。ただしロックと解除は手動ですので忘れないようにしましょう。
▲左サイドのドア後ろにあるこれはエアインテーク。異物を吸い込まないように少し縁が盛り上がっている。反対側はアウトレット。
2000年モデル以降エンジンはストロークが6mmアップして、2687cc/220PSになりました。とくに低回転から中回転でトルクが太くなり、またアクセルも電子制御になりました。内装は標準のシートがアルカンタラになって、ぐっと高級な感じになってます。ただし重さは30kg増しです。元々が1250kgなので重量税は変わりませんが。あと、燃料タンクが58Lから64Lになりました。
2001年モデルからインテリアの照明がLEDになって、ソフトトップにルーフライニングが追加され、エンジン内のチェーンがサイレントタイプに変更されたことによる静音化と相俟って、車内が静かに快適になりました。
また、オプションでポルシェ・スタビリティ・マネジメント(PSM)が用意されました。これは走行中にスリップなどで危険な状態になった場合、コンピューターが各種センサーからの情報で状況を判断して、四輪それぞれのブレーキを個別に作動させて姿勢をコントロールするという安心装備です。
2002年モデルでは、カーオーディオにBOSEのサウンドシステムが選べるようになりました。
そして987型へのモデルチェンジ前最後の2003年モデルでは、カムシャフトが可変タイプのバリオカムになって8PSのパワーアップ、その他カムシャフトの駆動機構なども見直されました。そしてソフトトップの改良で、それまでビニール製だったリアウインドウが熱線入りのガラスになりました。雨の日でも後ろが見える、という安心感を考えると、この部分は大きいでしょう。
バンパーやマフラーの形状が変更され、ウインカーレンズもクリアになっていて、最終年でかなり大幅なマイナーチェンジになりました。
▲ボディラインを崩さず、視認性を確保したウインカー一体型のテールランプ
名車911と比べられて「リーズナブルなポルシェ」というイメージで語られがちなボクスターですが、内容は硬派なスポーツカー、実はきっちりポルシェです。また、ポルシェにあまり詳しくない普通の人は911と見分けがつかないのではないかと思われます。オープントップのドライブに魅力を感じるあなたには、むしろクローズドボディを前提にした911のカブリオレよりも、最初からオープンを前提に設計されたボクスターの方が満足感が高いかもしれません。
最後に、ポルシェ ボクスター986とは
最終モデルから15年、値段もそこそこにこなれてきています。15年というと国産ではそろそろ「旧車」などと呼ばれてあちこちヤレが目立ち始め、また部品も手に入りにくくなる頃ですが、ポルシェは違います。メーカー自らが「今まで生産されたポルシェの半分はまだ現役」なんて言ってしまうポルシェです。15年なんて「そろそろ慣らしが終わってイイ感じになってきたかな?」くらいの頃でしょう。
真っ赤なポルシェで緑の中を走り抜けたり、潮風の中ラジオのボリウムフルに上げたり、そんな世界に浸ってみる週末。プライスレスですよ。
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