
中古車の魅力
更新2018.10.29
20年前に生産されたマツダのユーノスロードスターを手に入れた話
外車王SOKEN編集部
1991年式 マツダ ユーノスロードスター
昨年(2014年)まで所有していた、1991年式ユーノスロードスターのことをご紹介させてください。私が所有していたのは「Vスペシャル」というグレードです。深いグリーンのボディカラーにベージュ革のシートとカーペットが張り巡らされた、まるで英国車を思わせる、ちょっと日本車離れした佇まいで、当時から高い人気を誇っていました。

なぜ、いまさら初代ロードスター?そう思われても仕方がありません。このクルマは、私が若いときにどうしても手に入れたかった、忘れられない1台だったのです。
本当に欲しいモノを、買えるときに…

このクルマを手に入れたのは、2011年3月末。そうです。3.11の数週間後です。東北の方々が大変なときに、呑気にクルマなんて買って良いのかよ?実際ものすごく悩みました。3.11のこともあって悶々とした日々を過ごしていたこともあり、「本当に欲しいモノを、買えるときに、思い切って手に入れよう」と心に決めました。
それからほどなくして、地元のクルマ屋さんで税込み29万円という、格安のロードスターを発見しました。それが手に入れたロードスターです。全塗装を済ませたばかりで、見た目もほぼノーマル。車検が切れていたので試乗はできなかったのですが、勢いその場で契約してしまいました。これがイバラの道の始まりとも知らずに…。
ロードスターとイバラの道の始まり
ようやく念願のユーノス・ロードスターを手に入れることができたわけですが、このクルマが「 20年落ちの中古車」であることを改めて思い知らされます。

▲こちらの画像は初見で訪れた際に撮影したもの。検切れのため、ナンバーがありません
納車日は春の嵐(いわゆる春雷です)で、雨漏りで服が濡れたまま、タイヤショップに駆け込みました。タイヤがつるつるだったので、前から交換しようと決めていたホイールと併せて新調したのです。

納車直後の雨漏りで少し凹みましたが、希望のホイールに交換されたことで、すっかりテンションもあがりました(上の画像はノーマルの状態)。

納車した夜、せっかくならばと山の方までロードスターを走らせてみることにしました。

免許を取得してから半年あまり経ったある日、私の恩師が所有していたユーノス・ロードスターを1晩だけ貸してくれることになり、もう本当に寝る時間を惜しんで夜な夜な走り回りました。その感動がいつまでも忘れられず、今回の購入に至ったという経緯があります。
20年ぶりにロードスターで訪れた山道。あのときの感動を再び甦り…ませんでした(笑)。
クラッチがどうも滑り気味な印象。5速から4速にシフトダウンするときにひっかかるような感じがする。後日、メカニックをしている友人にも試乗してもらうと「やっぱりクラッチ滑ってるよ、これ」という○刑宣告が…。
嫌な予感は的中…?

クラッチはスムーズに繋がらないし、マニュアルミッションも、5速から4速にスムーズにシフトダウンできない。これはどうもおかしい。一回キチンと診てもらったらというアドバイスもあり、地元のマツダディーラーに持ち込みました。
すると…

・ミッション:要交換
・クラッチ:要交換
・ラジエーター要交換
・エンジンオイル漏れ
・雨漏り対策
・その他諸々
すべて額面通りに修理すると、ロードスターの購入金額を軽くオーバーする見積もりがはじき出されてくるではありませんか。目まいがするのを抑えつつ、頭のなかには財布のなかから福澤諭吉に羽根が生えて飛んでいく姿が浮かび上がります。
ロードスターに乗りたいけど乗れない


マツダディーラーで見積もってもらった
・ミッション:要交換
・クラッチ:要交換
・ラジエーター要交換
・エンジンオイル漏れ
・雨漏り対策
・その他諸々
という「後先考えずに20年落ちの格安中古車を買っちった」現実を突きつけられたわけですが、どうにかして直すしかないのです。しかし、予算は限られています。そこで
・ミッション:要交換 →→→ ディーラーが保有する中古部品で対応
・クラッチ:要交換 →→→ これはやむなく新品に交換
・ラジエーター要交換 →→→ サービスフロントの方と相談し、とりあえず先送り
・エンジンオイル漏れ →→→ ガスケット等を新品に交換して修理
・雨漏り対策 →→→ とりあえず先送り
・その他諸々 →→→ とりあえず先送り
・足回り →→→ 別のショップで交換

という結論に。購入早々、10日間の入院決定です。
これでもう吹っ切れました。ロードスターに乗りたいけど乗れない。戻ってきたらまた山まで走りに行こう。気になっていたこの部品を買っておこう…。みるみる出費がかさんでいきます。ああ…。

しかし、入院から戻ってきたロードスター。それはもう見違えるようになりました。このクルマは一生乗ろう!そう固く心に誓いました。
[ライター/外車王編集部]