2025年03月07日

海外赴任のときにクルマはどうする?あなたに合う対応方法をご案内します!

仕事の都合により海外への転勤・赴任が決まったとき、クルマをどうすればよいのか悩む方は多いでしょう。長期間にわたりクルマを使用しないときの選択肢は、「これまで通り保管する」「一時抹消する」「売却」「海外へ運ぶ」「知人・親族に貸す」の5つです。 ここでは、海外赴任が決まったときのクルマの保管および手放しの方法について、それぞれのメリットとデメリットをふまえて解説します。


海外赴任が決まったときにクルマはどうすればよい?


海外赴任により、クルマを長期間使用しないときは、「これまで通り保管する」「一時抹消する」「売却する」「海外へクルマを持っていく」「知人・親族に貸し出す」の5つの中から、最適な方法を選択しましょう。ここでは、それぞれの方法について、メリットとデメリットをふまえて解説します。


これまで通り保管する


海外赴任が決まっても、何も手続きをせず、そのまま日本でクルマを保管することは可能です。短期間の海外赴任の場合に向いています。


メリット


特別な手続きをする必要がなく、帰国後もすぐに同じクルマを使用できる点は大きなメリットです。愛着のあるクルマを手放したくない方や、短期間の赴任で帰国後もすぐにクルマを使いたい方にとっては便利な選択肢でしょう。また、家族が日本に残る場合は、そのまま家族が乗り続けられます。


デメリット


クルマをそのまま保管する場合、自動車税や任意保険料、駐車場代などの維持費が発生し続けます。クルマを使用していなくても、これらの費用は払い続けなければなりません。また、長期間放置することでバッテリー上がりやエンジンオイルの劣化などが進み、クルマの状態が悪化する恐れがあります。定期的なメンテナンスを依頼できる人がいない場合は、帰国後に高額な修理費用が発生する可能性があるでしょう。


一時抹消の手続きを行う


一時抹消登録とは、一時的に車輌の登録を抹消し、使用を中断する手続きです。ナンバープレートを返納するため、公道を走ることはできませんが、将来的には再登録が可能です。


メリット


一時抹消登録を行うメリットは、自動車税が課税されなくなることです。すでに納付済みの自動車税がある場合は、月割りで還付を受けられます(軽自動車税は還付対象外)。また、任意保険も中断手続きをすると、保険料の支払いを停止できます。赴任期間が長期にわたる場合、固定費を節約できる点は一時抹消の大きなメリットでしょう。


デメリット


一時抹消登録のデメリットは、手続きに時間と手間がかかることです。運輸支局での手続きが必要で、各種書類も準備しなければならず、出国前の忙しい時期に負担がかかる可能性があります。また、一時抹消してもクルマのメンテナンスの問題は解決しないため、長期間駐車しておくクルマの管理を誰かに依頼しなければなりません。保管場所の確保も課題で、駐車場を借りている場合はその費用が継続して発生します。なお、帰国後に再度使用する際には、再登録の手続きを行う手間もかかります。


売却する


海外赴任に伴い、クルマを売却するという選択肢もあります。特に長期間の赴任が決まっている場合や、帰国後に新しいクルマの購入を検討している方におすすめです。


メリット


クルマを売却すると、自動車税や保険料、駐車場代などの維持費がかからなくなるほか、売却によって得たお金を赴任費用や現地での生活費にあてられるため、経済的な余裕が生まれるというメリットを得られます。クルマの状態を心配する必要もなく、精神的な余裕も生まれて海外での生活に集中できるでしょう。


デメリット


出国までに売却を完了させる必要があるため、各種手続きが慌ただしくなるでしょう。遅くても出国の2週間前までには完了させておくと理想的です。また、出国直前まで移動手段として使用したい場合は、代車の手配や公共交通機関の利用計画も考える必要があります。代車やレンタカーを借りる場合は、その分の費用を負担しなければなりません。


海外へ持って行く


クルマへの愛着があって手放したくない、現地でもクルマを使用する場合は、赴任先の国に持って行くとよいでしょう。引っ越しと同様に、クルマも輸送するという考え方です。


メリット


海外へクルマを持って行けば、慣れ親しんだ愛車に現地でも乗り続けられます。特にこだわりの強いクルマや、高級車を所有している場合は魅力的な選択肢でしょう。国によっては輸入車に対する免税制度があり、現地で同様のクルマを購入するよりもコストを抑えられる可能性もあります。また、生活の連続性という面でも、日本から持ち込んだクルマに乗ることで安心感を得られる方もいるでしょう。長期赴任や永住予定の方にとってはメリットの大きい選択肢です。


デメリット


海外へのクルマの持ち込みには多くの課題があります。輸送費用が数十万円の費用がかかるうえに、関税や現地での登録費用なども必要です。また、国によっては左右ハンドルの問題があり、右側通行の国では運転が難しくなる可能性があります。さらに、現地の交通法規や安全基準に適合させるための改造が必要なケースもあります。


知人や親族に貸す


海外赴任中、知人や親族にクルマを貸して使ってもらうという選択肢もあります。クルマの状態を維持するのに有効な方法です。


メリット


知人や親族に貸すと、クルマを定期的に使用してもらえるため状態を良好に保てます。エンジンオイルの循環やバッテリーの充電など、走行によってコンディションを維持できるでしょう。


デメリット


知人や親族に貸す際には、貸借に関する取り決めや手続きが必要です。車検証の名義変更や任意保険の変更手続き、自動車税の支払い方法など、事前に明確にしておかなければなりません。また、事故や故障が発生した場合の対応や費用負担についても話し合っておく必要があります。人間関係のトラブルに発展する可能性もあるため、貸す相手との信頼関係が重要です。海外にいる間のコミュニケーションや、帰国時期が変更になった場合の対応なども考慮しておきましょう。


海外赴任時のクルマの対応|それぞれの手続き方法


海外赴任時のクルマの対応|それぞれの手続き方法


海外赴任時のクルマの対応方法のなかには、運輸支局や業者にて専用の手続きを進めるものもあります。ここでは、「一時抹消」「売却」「海外へ持って行く」それぞれの手続き方法について詳しく解説します。


一時抹消


一時抹消登録の手続きは運輸支局で行います。軽自動車の場合は軽自動車検査協会です。手続きに必要な書類やステップは以下の通りです。


<必要書類>


・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
実印
車検
・ナンバープレート
申請書(第3号様式の2) ※窓口で入手可能
・手数料印紙(検査登録印紙)350円 ※窓口で入手可能


参考:一時抹消登録/青森運輸支局ホームページ


手続き当日は、これらの書類を持って管轄の運輸支局もしくは軽自動車検査協会へ行きます。窓口で申請書に必要事項を記入し、手続き完了後に一時抹消登録証明書が発行されるため大切に保管しておきましょう。


一時抹消登録が完了したら、任意保険の中断手続きも忘れずに行いましょう。保険会社に連絡し、「中断証明書」を発行してもらうことで、帰国後も同じ等級で保険を再開できます。自動車税については、すでに納付した税金の還付手続きも可能です。管轄の都道府県税事務所に問い合わせて、必要書類を確認しましょう。


なお、一時抹消登録後のクルマは公道を走行できないため、保管場所への移動には注意が必要です。手続き前に保管場所まで移動させておくか、レッカー移動を手配しておきましょう。


売却


クルマの売却手続きは、買取業者選びから始まります。海外赴任の日程が決まっている場合は、出国のスケジュールに合わせた対応ができる業者を選びましょう。査定の際には、「海外赴任が決まっている」「出国までのスケジュール」「出国直前まで使用したい」などの要望を伝えておくと手続きがスムーズです。


買取価格や条件を比較して業者を決めたら、売却の契約を行います。契約時に必要な書類は以下のとおりです。


車検
・自動車税納税証明書
・自賠責保険証明書
印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
実印
・リサイクル券
・委任状 ※買取業者側で用意
・譲渡証明書 ※買取業者側で用意


契約から車輌の引き渡しまでのスケジュールを明確にし、出国のタイミングに合わせた対応をしてもらえるよう調整します。買取金額の振込時期や車輌の引き渡し方法についても確認しておきましょう。


また、任意保険の解約や中断手続きも忘れずに行います。海外赴任後に帰国する予定がある場合は、保険会社に「中断証明書」を発行してもらうと、帰国後の保険加入時に無事故割引などの等級を引き継ぎできます。


売却後の名義変更は買取業者が代行してくれますが、念のため完了の連絡を受けるようにしておきましょう。名義変更が完了していないと自動車税が課税される可能性があります。


▼関連記事はこちら
クルマを売るときの手続き・売却先・準備する書類・注意点などを解説


海外へ持って行く


クルマを海外へ持って行く場合、輸出や輸入に関する手続きが必要です。一般的には専門業者に依頼しますが、基本的な流れを把握しておきましょう。


日本での輸出手続きが必要です。管轄の運輸支局で「輸出抹消仮登録」を行い、輸出抹消仮登録証明書を取得します。これにより、クルマの登録が一時的に抹消され、海外で登録できる状態になります。必要書類は以下のとおりです。


・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
実印
車検
・ナンバープレート
申請書(第3号様式の2) ※窓口で入手可能
・手数料印紙(検査登録印紙)350円 ※窓口で入手可能


参考:輸出抹消仮登録/青森運輸支局ホームページ


次に、輸出通関手続きを行います。税関に「輸出申告書」を提出し、審査を受けます。この手続きは専門的な知識が必要なため、通関業者に依頼するのが一般的です。輸出許可が下りたら、船会社や航空会社と輸送の契約を結びます。


赴任先の国に到着したら、現地での輸入通関手続きが必要となります。国によって必要書類や手続きが大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。


まとめ


海外赴任が決まった際のクルマの対応方法について、5つの選択肢とそれぞれの手続き方法を詳しく解説してきました。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、最適な選択は赴任期間や家族構成、クルマへの思い入れなどによって異なります。


短期間の赴任であればこれまで通り保管するのが簡単かもしれませんが、維持費がかかり続けることや車輌の状態悪化という課題があります。長期間の赴任なら「一時抹消や売却を検討するとよいでしょう。一時抹消なら維持費を抑えつつ帰国後も同じクルマに乗れますが、保管場所と管理者が必要です。売却なら維持費がゼロになり、売却金も得られますが、帰国後は新たにクルマを購入する必要があります。


「知人や親族に貸す」選択肢は、定期的に使用してもらうことでクルマの状態を維持できるメリットがありますが、貸借の取り決めをしっかり行う必要があります。「海外へ持って行く」選択肢は、愛着のあるクルマに現地でも乗れる反面、手続きが複雑で費用も高額になりがちです。


ご自身の状況に合わせて最適な対応方法を選び、計画的に手続きを進めることが大切です。特に売却や一時抹消登録は、国外転出届を提出する前に完了させておきましょう。


クルマを売却する場合は、ぜひ外車王におまかせください。外車王は輸入車に特化した複数事業者が入札するクルマ買取サービスです。外車王公認の買取業者が競い合うことで高額査定を実現し、入札の中からお客様が依頼したい業者を自由に選択できます。また、外車王のコンシェルジュが主に対応するため、しつこい電話やご不明点への不安なく、安心してご依頼いただけます。海外赴任のスケジュールに合わせたフレキシブルな対応も可能なため、お気軽にご相談ください。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


輸入車において総合的にサービス展開する外車王の知見を活かし、中古車の購入やお乗り換え、売却に関わる様々なノウハウをプロの視点でお届けしています。

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