車にはどのような種類があるのか。ボディ・動力源・駆動方式・メーカーを解説
車には、ボディ形状、エンジンなどの原動機、駆動方式などさまざまな種類があります。それぞれどのような意味を持ち、どんな特徴があるのでしょうか。ここでは、車の種類についてボディタイプ、原動機、駆動方式、メーカーという4つの観点から解説します。
車のボディタイプの種類
車のボディタイプには、どのような種類があるのでしょうか。車の車種は、車の使い勝手にも影響する大切な要素です。どのボディタイプが自分に合っているか、人気車種はどのような種類に属しているのかなどを知るヒントにしてみてください。
セダン
セダンは、一般的には3ボックスやサルーンとも呼ばれます。エンジンルーム・キャビンスペース・トランクルームが独立しているため静粛性が高いことが特徴です。
セダンには、扱いやすいコンパクトな車種から、全長5メートルを超える大型モデル、運動性能を高めたスポーツセダンまで幅広くラインナップされています。
高級車や各メーカーのフラッグシップモデルは、セダンであることがほとんどです。また、フォーマルな場面に使われることが多く、会社役員の送迎にも使われます。静粛性が高く、快適な走りを求めるのであればセダンが適しているでしょう。
クーペ
クーペは、緩やかな弧を描くルーフラインが特徴のスポーティーなボディタイプです。
クーペという言葉は、本来「2人乗り」という意味でしたが、最近ではスポーティーなスタイルの車全般をを指すことが多くなりました。クーペのパッケージングには、2ドア2人乗り、2ドア2+2人乗りクーペ、4ドア4人乗りクーペなど、さまざまなバリエーションが展開されています。
いずれのタイプもスポーティーなスタイルになっていることがポイントです。クーペは、前席をメインに使う場面が多く、質感の高いインテリアとスポーティーなスタイルを求める人に最適でしょう。
オープンカー
オープンカーは、一般的にフロントガラス以外の部分が開く車のことです。ルーフを取り付けられるオープンカーを「ロードスター」、ルーフを取り外すこともできるオープンカーを「コンバーチブル」と区別します。
そのため、ロードスターは「幌」タイプが多く、コンバーチブルは「ハードトップ」が多いのです。オープンカーは、たくさんの荷物を運ぶなどの実用性は低いものの、運転そのものを楽しめたり、季節の風を感じることができます。ドライブが趣味の方やオープンエアを存分に楽しみたい方に最適です。
ステーションワゴン
ステーションワゴンは、セダンをベースにルーフラインを延長し、広いラゲッジルームを確保した車です。また、優れた運動性能が与えられたスポーツワゴンをラインナップしている車種もあります。セダンの安定した上質な走りと荷物の積載性の両方を諦めたくない人に最適です。
ワンボックス
ワンボックスは、室内空間の区切りがなく、ひとつの箱型になっている車のことです。ボンネットが短く、エンジンが床下に収納されていることが多いです。
独立したエンジンルームを持たないワンボックスは、ボディの全長に対し室内長を長くとれるため、商用車を中心に採用されています。また、全高が高いため室内空間にゆとりがあることも特徴です。ワンボックスは車内の広さを重視する方に最適でしょう。
ミニバン
ミニバンは、ゆとりある室内空間を持ち多人数乗車ができる車です。全高が高く頭上空間にゆとりがあり、3列シートを備えていることが多いため、ファミリーカーとしても人気があります。
ミニバンは独立したエンジンルームを持つことが多いため、ワンボックスよりも、全長に対する室内の長さが短くなります。とはいえ、エンジンルームは最小限のスペースに留められているため、室内の長さは十分にあります。
ゆとりある室内空間があり、多人数乗車ができる車を探しているのであればミニバンが最適です。
SUV
SUVは「スポーツユーティリティビークル(Sport Utility Vehicle)」の略称で、「スポーツ用多目的車」と訳される車です。SUVには、悪路を走行するための本格的な構造を持つ「クロスカントリー」や日常運転での乗り心地や快適性に重点を置いた「クロスオーバーSUV」が含まれます。SUVは、近年高い人気を誇るボディタイプで、かっこいい車ランキングでも上位にランクインするほどです。
ボディスタイルの特徴は、ワゴン型で地上からの高さがあり大きめのタイヤを装着していることです。セダンやクーペに比べると着座位置が高く、見通しがよいこともSUVならではのメリットといえるでしょう。また、段差や砂利道などでも車の下側を擦る心配がありません。
最近では、高級車に匹敵する質感を備えたSUVが各メーカーで作られたり、高級車メーカーがSUV市場に参入したりするなど、高級化も進んでいます。さらに、クーペのようなルーフラインを持つスポーティーなSUVも登場するなど、さまざまなボディバリエーションが誕生しているカテゴリーです。
使いやすさと運転のしやすさ、大きめのタイヤによる存在感あるスタイルを手に入れたいのであればSUVが適しているといえるでしょう。
ハッチバック
ハッチバックは、リアハッチつまりバックドアを持つコンパクトサイズの車を指します。ボディサイズが小さいことから、取り回しがしやすく街中での運転がしやすいため、道が狭い日本やヨーロッパなどで人気があります。また、荷物の出し入れがしやすいことも特徴です。
日本車メーカーのハッチバックは、全長4メートル程度、全幅1.7メートル未満の5ナンバーサイズのモデルが多いです。外車では、全長4.5メートル前後、全幅1.8メートル前後のハッチバックが多く、3ナンバー登録になります。ハッチバックは、日本の道路でも運転しやすいため、高い人気を誇り、日常の通勤や買い物をメインにするユーザーには最適なボディタイプです。
また、ハッチバックには、運動性能を高めたスポーツモデルを用意している車種もあります。スポーツタイプのハッチバックはホットハッチとも呼ばれ、走りを重視する人からも支持されるほどです。ホットハッチは、日常での使いやすさも走る楽しさも諦めたくない人に最適でしょう。
軽自動車
軽自動車は、日本独自の軽自動車規格(全長3.4メートル以下、全幅1.48メートル以下、全高2.0メートル以下、エンジン排気量660cc以下)に収まる最小カテゴリーの車です。税金面では普通車よりも割安であるため、維持がしやすいというメリットもあります。また、ボディサイズが小さく小回りが効くというのも特徴です。
また最近の軽自動車は、走行性能や内装・外装の質感が高くなっています。さらに、全高が高いスーパーハイトワゴンの軽自動車は、頭上空間にゆとりがあるため、ファミリーカーとしても使うことも可能です。維持がしやすく、運転もしやすい車を求めているのであれば、軽自動車がよいでしょう。
車の原動機の種類
車の原動機は、ガソリンを燃料とする「ガソリン車」、軽油を燃料とする「ディーゼル車」、内燃機関と電気モーターを組み合わせた「ハイブリッド車」、内燃機関以外の環境性能に優れた「CEV(Clean Energy Vehicle)」があります。ここからは、それぞれの特徴を解説します。
ガソリン車
ガソリン車は、多くの車に採用されている内燃機関車です。「レギュラーガソリン」または「ハイオクガソリン」を燃料とし、空気と燃料を混ぜた混合気を圧縮して、点火プラグで着火して動力を生み出します。
レギュラーガソリンとハイオクガソリンの違いは、ガソリンの燃えやすさを示す「オクタン価」の違いにあります。JISの規格によると、レギュラーガソリンのオクタン価は89以上、ハイオクガソリンのオクタン価は96以上です。オクタン価の数字が大きいほど異常燃焼が起きにくいため、高い出力を発揮する高性能車にはハイオクガソリンの指定がされています。
また、輸入車がハイオク指定なのは、海外のレギュラーガソリンのオクタン価が91以上であるためです。
ディーゼル車
ディーゼル車は、軽油を燃料とする内燃機関車です。かつてはディーゼルエンジンが乗用車に採用されることも多くありましたが、環境問題の観点からその数は激減し、トラックやバスだけに使われることがほとんどとなってしまいました。しかし、近年では環境性能に配慮した「クリーンディーゼル」が登場し、再び乗用車への採用も増加しています。
ディーゼル車は、圧縮した空気に軽油を噴射して動力を生み出す構造です。軽油の単価は、レギュラーガソリンやハイオクガソリンよりも安いため、燃料費を安く抑えられます。また、ガソリン車よりもディーゼル車の方が燃費がよいのもメリットです。
ハイブリッド車
ハイブリッド車は、2つ以上の動力源を組み合わせた原動機を指します。ハイブリッド車の多くは、内燃機関(ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン)に、電気モーターを組み合わせたハイブリッド車がほとんどです。
ハイブリッド車では、内燃機関と電気モーターを使い分けたり、同時に作動させたりすることで燃料消費を抑え、環境性能を向上させています。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの内燃機関は、重量のある車を動かすときに多くの燃料を消費します。
一方、電気モーターは、電気を流した瞬間に最大トルクを発生するという特性を持ちます。内燃機関と組み合わせることで、エンジン車の弱点である動き出しの力不足を手助けできるのです。そのため、ストップ&ゴーが多い街中での運転がメインである場合、モーターの助けがあるハイブリッド車が最適だといえるでしょう。
CEV
CEVは、「Clean Energy Vehicle(クリーン・エナジー・ビークル)」の略称で、クリーンエネルギー自動車のことを指します。CEVには、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)、バッテリー容量を増やしたハイブリッド車の「プラグインハイブリッド(PHEV)」、環境性能に優れたディーゼル車である「クリーンディーゼル車」が含まれます。いずれも環境への負荷が低いという共通点があります。今後は内燃機関のみを搭載する自動車の販売が禁止される見込みであることから、将来的にCEVの販売台数は増加するでしょう。
車の駆動方式の種類
駆動方式の表記は、エンジンの搭載位置や駆動輪によって異なります。車の情報誌やインターネットのサイトなどに掲載される「FF」「FR」「MR」「RR」「4WD」はどのような意味なのか詳しく理解しましょう。
FF・FR
FFは「フロントエンジン・フロントドライブ」、FRは「フロントエンジン・リアドライブ」の略称です。両方の駆動方式に共通しているのは、フロントボンネットにエンジンが搭載されている点にあります。
FFは、多くの乗用車に採用される駆動方式です。操舵輪と駆動輪が前輪であるため、車体の床にプロペラシャフト(駆動力を伝達するパーツ)を通す必要がありません。よって、スペース効率に優れているのが特徴です。
FRは、高級セダンやスポーツモデルに使われることが多い駆動方式で、操舵輪が前輪・駆動輪が後輪になります。操舵と駆動が分かれているため、前輪に部品や重量が集中しにくいという点がメリットです。ただし、駆動力を後輪に伝えるプロペラシャフトを車体中央の床面に通さなければならないため、室内の床面に出っ張った部分ができることがデメリットになります。
MR・RR
MRは「ミッドシップエンジン・リアドライブ」、RRは「リアエンジン・リアドライブ」の略称で、共通点が後輪駆動であることです。
MRは、エンジンの搭載位置が、運転席と助手席の後ろとリアタイヤの間になります。そのため、前後の重量バランスに優れていることが特徴です。重量バランスがよいと、「走る・曲がる・止まる」といった運動性能が安定します。
RRでは、リアタイヤよりも後ろにエンジンが搭載されています。後輪にエンジンの重さがかかり、加速時の駆動力を路面にしっかりと伝えられる駆動方式です。現在RRを採用しているモデルは、一部のスポーツモデルにのみとなっています。
4WD
4WDは、四輪駆動車のことで、「四駆」や「AWD」と表記されることもあります。
4WDには、常時四輪を駆動する「フルタイム4WD」や駆動力の伝達状況に応じて駆動力を配分する「パートタイム4WD」などがあります。また車種によっては、四輪それぞれに最適な駆動力を配分するシステムもあるため、一言で4WDと言っても種類がさまざまです。
4WDは、四輪に駆動力が伝わるため、濡れた路面や凍結した路面、オフロードなどの状況で安定した走りを実現します。
車のメーカーの種類
自動車メーカーの種類は、どのくらいあるのでしょうか。ここからは、代表的な自動車メーカーを解説します。
代表的な国内メーカー
国産の自動車メーカーは、トラックやバスのメーカーを含めると10社以上存在します。乗用車の代表メーカーは、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業です。その他にも、スバル(旧富士重工業)、マツダ、スズキ、ダイハツ、三菱自動車、光岡自動車などがあります。
代表的な外車メーカー
外車の自動車メーカーは、日本車以外の自動車メーカーになるため、その数は非常に豊富です。
ドイツ車では、メルセデス・ベンツ、BMW(ミニ)、ポルシェ、フォルクスワーゲン、アウディなどがあります。イタリア車では、フェラーリやランボルギーニ、フィアットなどが有名でしょう。イギリス車では、ジャガー、ランドローバー、マクラーレン、ロールスロイス、ベントレーなどがあります。フランス車では、プジョー、ルノー、シトロエン、DSオートモービルが代表的なメーカーです。
執筆者: 外車王編集部
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