2021年08月24日

車の安全装置にはどのようなものがあるのか。安全装置の種類とメリットを解説

交通事故の被害を減らすための安全装置は古くから開発され、近年になって飛躍的に進歩しました。安全な車に乗りたいと思っているものの、どのような安全装置があるのかわからず、自分に合った車を選べない方は多いのではないでしょうか。ここでは、最新の安全装置にはどのようなものがあるのか、安全装置を装着するメリットとあわせて詳しくご紹介します。

 



車の安全装備の種類


車の安全装置には、さまざまな種類があります。近年では、カメラやレーダーを使った安全装置が増えてきました。ここでは、車の安全装置にはどのようなものがあるのか解説します。


ABS(アンチロックブレーキシステム)


ABSは、急ブレーキをかけた際にタイヤがロックして車体が滑るのを防止する装置です。ブレーキの制動と解除をシステムが繰り返し、タイヤのグリップ力を維持して車体のコントロールができるようにしています。ABSは、多くの車に標準装備されている安全装置のひとつです。


自動運転


自動運転は、車の運転が自動で行われる装置です。自動運転はレベル0からレベル5までの6段階に分類されます。


レベル0からレベル2までは、システムがドライバーの運転を支援する装置です。そのため、事故が発生した際の責任の所在はドライバーにあります。


レベル3からレベル4は、システムによる運転が部分的に行われる装置です。ただし、システムによる運転ができない場合には、システムが警告を発してドライバーに運転を交代します。レベル5は、完全自動運転になり、全ての運転操作をシステムが行います。


現在、広く普及している自動運転と呼ばれる運転支援システムは、自動運転レベル2までのものがほとんどです。2021年6月時点で、完全自動運転(レベル5)の車は市販されていません。そのため、自動運転と呼ばれる装置のほとんどは「運転支援システム」なのです。つまり、何かあったときの責任はドライバーになることがほとんどであるため、運転支援システムを過信しないようにしましょう。


自動ブレーキ


自動ブレーキの正式名称は「衝突被害軽減ブレーキ」です。システムが障害物を認識してブレーキのサポートをすることで、衝突の被害を最小限に留める装置になります。


衝突被害軽減ブレーキは、絶対に完全停止までサポートしてくれる装置ではありません。あくまでも運転を支援する装置であり、衝突被害を軽減するための補助装置です。ドライバーは、システムが作動したとしても自身でブレーキ操作する必要があります。


車線逸脱防止支援システム


車線逸脱防止支援システムは、「車線逸脱警報システム」や「レーンキープアシスト」とも呼ばれる運転支援システムです。車に装着されたカメラなどを使って路面の線を認識し、車線を逸脱しそうになると警告したり、ステアリング支援をしたりします。


ただし、路面の線が消えかかっていたり、カメラで正しく車線を認識できなかったりすると、システムが正常に作動しないことがあるため、過信しない方が良いでしょう。


また、メーカーやシステムのバージョンによって、精度や作動速度域が異なるため、取扱説明書を読み、どのような状況で作動するのか、作動しない条件はどのようなときなのか確認しておくことが大切です。


スタビリティ・コントロール・システム


スタビリティ・コントロール・システムは、「横滑り防止装置」とも呼ばれ、車が横滑りしそうな状況の時にシステムが作動し、車のスピンや外側へ膨らむ挙動を防止します。


ただし、システムには限界があるため、スタビリティ・コントロール・システムが装着されていれば必ず横滑りしないわけではありません。


チャイルドシート


チャイルドシートは、子供を正しい姿勢で着座させるための補助シートです。道路交通法の改正により、2000年(平成12年)4月1日から6歳未満の幼児を乗車させるときに、チャイルドシートの装着が義務化されました。


エアバッグ


エアバッグは、衝撃を検知すると膨らむ袋状の緩衝システムです。運転席や助手席のエアバッグをはじめ、カーテン状のサイドエアバッグ、膝まわりを保護するニーエアバッグ、さらには、対歩行者用のエアバッグなど、さまざまなエアバッグがあります。


シートベルト


シートベルトは、座席に乗員の身体を拘束するベルトです。車が衝突や追突などの被害を受けたとき、乗員が座席外や車外に投げ出されないようにしています。現在は、肩と腰の左右を固定する3点式シートベルトが主流です。


バックモニター/アラウンドビューモニター/サイドブラインドモニター


バックモニターは、車両の後方を映し出すモニターで、後退するときの視界をサポートしてくれます。


アラウンドビューモニターは、複数のカメラ映像を合成し、車両の上から見たような映像を作り出すシステムで、自車の位置確認のサポートをしてくれるモニターです。


サイドブラインドモニターは、車両の左右や斜め前方など車の死角になる部分をモニターに映し出すシステムで、見通しの悪い交差点や路肩への幅寄せをするときに役立ちます。


ブレーキアシスト


ブレーキアシストは、ブレーキを力を増幅させ、制動力を高める装置で、ブレーキブースター(倍力装着)とも呼ばれるシステムです。ブレーキブースターがあることによって、ブレーキペダルを踏む力の数十倍の制動力を得ることができます。


ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)


誤発進抑制制御機能は、アクセルとブレーキの踏み間違えによる急発進を防止する機能です。車に搭載されるセンサーが前方または後方の障害物を検知し、誤ったペダル操作をすると急発進しないように制御してくれます。


ただし、システムが作動する条件は、メーカーやシステムのバージョンによって異なるため、取扱説明書を読んで正しい使い方を理解しておきましょう。


車間距離制御装置(ACC)


車間距離制御装着は、アダプティブクルーズコントロール(Adaptive Cruise Control)とも呼ばれ「ACC」と略されます。


ACCは、前車との車間距離を自動で調整する機能を備えたクルーズコントロール(低速走行装置)です。高速道路や自動車専用道路での使用を目的に開発されましたが、近年ではトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)を備えるシステムも増えてきました。


リアビークルモニタリングシステム


リアビークルモニタリングシステムは、「後側方接近車両注意喚起装置」とも呼ばれ、ルームミラーおよびドアミラーの死角になる斜め後方の車両等の接近・存在を警告するシステムです。進路変更をするときや駐車場から後退で発進するときに役立ちます。


自動切替型前照灯


自動切替型前照灯は、「オートハイビーム」とも呼ばれ、車両に取り付けられたセンサーなどによって、ロービームとハイビームを自動で切り替えるヘッドライトシステムです。ヘッドライトのハイビームとロービームを自動で切り替えるシステムにより、夜間の走行の視界をサポートします。


近年では、ハイビームを基本として部分的にロービームにするシステムを搭載するモデルも増えてきました。


安全装備について知っておきたいポイント


安全装置が装着されている車両は、補助金や保険料割引の対象になることがあります。ここからは、安全装備によって受けられる補助金や割引について解説します。


サポカー補助金


サポカー補助金は、65歳以上の高齢運転者を対象とした安全運転サポート車の補助金です。サポカー補助金の対象は、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置など安全技術が搭載された車、後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置を装着した車です。


サポカー補助金の金額は、登録車(普通車)が最大10万円、軽自動車(新車)が最大7万円、中古車が最大4万円、後付け装置が最大4万円です。


保険料の割引


衝突被害軽減ブレーキ搭載車は、事故の発生率が減少するとデータで証明されています。そのため、自動車保険の先進安全自動車割引(ASV割引)が適用され、保険料が安くなります。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


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